福島県須賀川市、3/22現在の状況。

#jishin この建物だけ圧倒的にひどい。まわりはわりと大丈夫なのに。

福島県の内陸部にある須賀川市は、それほど大きな被害を受けたわけではないので震災発生直後からほとんど報道には乗っていません。唯一報道されたのは、長沼地区にある藤沼ダムの決壊くらいでしょうか。実家とは早い段階で連絡が取れていて、わりと大丈夫そうにしていたのでほっとしていたのですが、実際に帰ってきてみると中心市街地をはじめとして、思った以上に被害が出ていました。

浜通りの各市町村や宮城・岩手・茨城の状況と比べればささいな被害ではありますが、自分の目で見た/体験した状況を書き残しておこうと思います。ここが地元のひとのためでもあるし、報道されずともこれくらいの被害が出ている街はごまんとあるだろうな、というつもりで。
ライフライン
西川にある実家は、当初より電気・プロパンガスは使えていました。しかしながら湯沸かし器・暖房はほとんど石油を使うものだったので(家庭に100Lタンクがあるくらい)オイルの流通が止まったことがなによりも手痛いです。また、移動手段がほぼ車に限られるので、ガソリン不足もかなり深刻。「3時間並んで13L程度しか買えないので、販売制限のない160km離れた新潟にまでガソリンを買いに行く」という一見間抜けな事さえやってしまう状況です。(郡山の輸送ターミナルまで、磐越西線経由でタンク貨車が来られるようになるとずいぶん違うのでしょうけど。参考記事

■交通
県内のすべてのJRが在来線・新幹線ともに不通です。高速道路も緊急車両以外は通行禁止。なので、公共交通機関を使って県内に入る手段はふたつ。私は空港まで迎えに来てもらって、飛行機で来ました。
福島ー郡山ー新宿 の高速バス(臨時ダイヤで運行中・電話予約のみ)
羽田ー福島(臨時)/名古屋ー福島(臨時)/千歳ー福島/伊丹ー福島(日替わりダイヤ)

国道118号線が通行止め、という話があったけれど、市役所脇の旧橋本書店が倒壊のため(上の写真)、1ブロックだけ通行止めに。迂回できます。

■物流
不安による買い占めと、物流のマヒでかなりシビアな状況。生鮮食料品はまったく入ってこないわけではないけどかなり数量が少ない。コンビニも、場所によって空いていたりいなかったり。ファストフード、ファミレスなどはほぼ閉店。

■市街地のようす
見て歩いたなかでいちばん建物被害が大きかったのが、「松明通り(って名前あったんだ…)」の、旧赤トリ井近辺。神炊館神社は石積みの鳥居がすべて倒壊、メインストリート沿いの店舗は8割方立ち入り禁止の「危険」貼紙、歩道も車道もガタガタになっていました。

それと、市役所がかなりの被害。建物に立ち入れないので、確定申告は須賀川アリーナ、証明書は総合福祉センター、災害対策本部は市体育館、と分散して業務を行なっています。市体育館は救援物資の振り分け、災害ボランティアの受付としても稼働中。

公共施設、教育施設の被害も大きい。市役所の発表によれば、小中学校の施設に9割ほどに大規模修繕が必要なもよう。我が母校は小中ともに大規模修繕が必要と。

それほど元気溢れる街でもないので、あまりに大量な学校施設への手当てと、そもそもあまり活気がない中心部の復興と、なによりきゅうりやりんご農家への影響がとても心配。明日横浜に帰ります。