西日本ぐるぐる day5

長い旅のなかで、唯一誰とも落ち合う予定のない日。(なんてしあわせな旅だったんだろう!)とは言え、行き先などぽつぽつつぶやいていたら、広島ゆかりの人がいろいろとおすすめしてくれたので、結果的には一番騒がしい一日だったかもしれない。市電の一日乗車券買ったあとで、船まで含めたフリーパスの存在を教えてもらったのもいい思い出(ほろり)。

広島駅にいったん荷物を預けて、おそい朝ごはんは昨日教えてもらったカフェ43へ。かわべりでオープンテラスでふわふわのホットケーキって眩暈がするほどしあわせ。ていうかここ、上がホテルだったのね。広島の川は、橋の上に立つと驚くくらい涼やかな風が吹いてくる。都市の真ん中を流れていながら、水との距離がずいぶんとちかい感じ。

路面電車に乗って、コトコト宮島へ向かう。あるところから専用軌道になって、一気に本気出して走り出すのがかわいらしい。すんごい揺れるけど…。ゴトンと揺れて前を向いたら、ちらりと海が見えて一気にテンションあがる。そのままわくわくとフェリーに乗り込んで…。

見えた!

着いた!

触った!…潮の干満ってこんなにダイナミックなのかと思い知らされる次第。(1枚目と3枚目は1時間も経過していないはず)境内全体がヒタヒタとしてるところも見てみたかったんだけど、この迫力はすごい。自重だけで立ってるっていうんだからまたすごい。

建立の経緯とかまるで知らなくても、なんてダイナミックなアトラクション作ったのかと恐れ入る。21世紀になっても老若男女大フィーバーですよ。場所が場所だけに、それなりの間隔で建て直しているそうだけど、こんなに立派な樹どこから探してくるのかしら…。

いかにも古風な観光地然としたところを、ひやかしながら歩くのって好きだなあ。杓文字を真剣に選んだり、お薦めされたお店を転々として紅葉饅頭を選んだりする。(藤い屋を推してくださる方がとても多かったのだけど、たしかにこれが一番シンプルで美味しかった。パッケージデザインもキュート!)

シカにも遊んでもらう。確かに奈良の鹿より美人が多いかもー。

瀬戸内の海はぼんやりとして静か。海辺でもっとゆっくりしたかったな。帰りの電車は、少し潮っぽい香りがして、ちょっと浮かれつつも気持ちよく疲れていて、小田急江ノ島線をちょっと思い出す(ぐっすり寝た)。

おみやげをあれこれと買い込んで、お薦めどおりむさしのおにぎり弁当を買って(これが地団駄踏むほど美味しかった。なんの特別な感じもしないのに!)、高速バスに乗り込む。「気をつけて帰りんさいよ。またお正月待っとるよ。」というコピーが、ちゃんと広島弁のイントネーションで再生されるくらいにはこの街に慣れた。また来るけえのう。(いや、正月こそは福島に帰らなくちゃだ…)

しかしながらもう高速バスには乗らないとここに記そう。ただでさえ12時間かかる遠路であるのに、途中滋賀の土山SAで休憩の折り、時間になっても返ってこないひとがひとり。結局1時間待って、荷物も携帯も積みっぱなしで出発する(!)というハプニング。彼はあのあとどうしたんだろうか。どういう可能性を考えてもちょっとぞっとして、「ほら、お盆だしね!」と軽口を叩くのが精いっぱい。旅の最後にはパンチが利きすぎてるぜ…。