大山顕 街歩きフォトワークショップ at 大森/カルカル

「アイディアなんてくそくらえだ!」

先日のトークイベント@川口に引き続き大山氏プレゼンツの日曜日。「ほら、やっぱり食わず嫌いだったじゃないか」と友人に揶揄されながら(うるさい)、炎天下のなか総勢40人弱でぶらぶらと街歩きをしてきました。「フォトワークショップ」といえども、技法的なレクチャは一切無し、被写体も「好きなもの禁止」「自分探し禁止」「表現禁止」「ねこ禁止(!)」とひたすらどうでもいいものにこだわりを持って撮る、というもの。好きか嫌いか、ではなくて、ずっと続けていく事がいつの間にか自分らしさになる、と。

工場とか団地とかダムとかの、いわゆる「かっこいいもの」をおすすめするわけではなくて(そもそもこれを「かっこよくない?」と言い出したのも彼を中心とする「ドボク」な人たちな訳で)。ある意味、マチアルカーとしてのオオヤマイズムを刷り込むためのものすごく啓蒙的なワークショップだったと言えるでしょう。「アイディアなんていっぱひとからげみたいなもんだから、それを実際にやってみることがどれだけ大事で実になるか」と。要は、この記事みたいな写真をみんなで撮りまくっていたわけです。
■U10G: 祐天寺・漁師の休息
大森駅からぶらぶらと歩き始めて、参加者がえらんだ被写体は、ホントさまざま。エアコンの室外機とか、屋外電源とか、パイロンとか、階段とか、駐車場の入り口なんかにある段差を越える斜め状のものとか、メーターとか、ゴミネットとか、マンホールとか、タイヤのホイールとか、なにかを地面に固定するためのボルトとか、排水溝とか。

           
わたくしはバケツをひたすら撮る事にしました。理由は、大森駅に行くまでに三つ見つけたから。


おなじ風景のなかでも焦点があうポイントがまるで違うのが面白かった。これとほぼおなじアングルで撮ってる人が何人もいたんだけど、ひとりは室外機、ひとりはメーター、ひとりはバケツを「空き缶入れ」と見てる、とか。自分がシャッター切った時は室外機とか一切見えてなかった。そもそも、これはバケツではない。


大山氏は「撮ってるうちになにがなんだかわからなくなりますよ」と言ってたけど、まさにそうなりました。これを嬉々として撮った自分はホントどうかしてると思った。


これ、いちばんのお気に入り。箱入り娘。お気に入りってなに言ってんだよ、と思った人、正解。カルカルでも、「うおお、ふたごの室外機!」とか車のホイール撮ってたひとが、門扉のキャスターだの公園の遊具だの撮り出したのに爆笑したりしてました。これは面白いわー。

流石にオンラインでアクティブなひとが多いみたい。すでにいくつかあがってましたので、勝手にコレクトしておきます。

「技術的な事をいちから教えるより、自分が決めた被写体をどうやったらうまく撮れるかを考える方が絶対にいい」と大山さんが言っていたのには激しく同意。マンホール撮ってた人、後半に行くに従って自分の影とか足とか写り込まなくなってたしね。

次回は浅草でやりたい、とのことで。「せんべい禁止」だそうです。

追記:大山さんとこにもまとめエントリが。うーん、面白い。
「住宅都市整理公団」別棟:「自分探し禁止!」大森〜大井町ワークショップ