豊田市立美術館


金沢からの帰り道に名古屋がある、というのはどうも感覚的にわかりづらい。米原→名古屋と西側にまわるか、越後湯沢→東京と東にまわるかなのよね。どっちも所要時間は4時間半弱でほとんど変わらず。いかに中央アルプスが険しいか、というかんじだよなあ。ちなみに飛行機だと飛んでる時間は1時間!

ホテルのフロントで回数券を買って、特急しらさぎに乗る。米原で新幹線に乗り換えると20分ばかり短縮できるのだけど、一度座ってしまったが為にもう根っこが生えて動けませーん。新幹線車中から予約をしてレンタカー、目指すは豊田市美術館であります(ああ、オトナな旅だわー)。

おおお、あぢい。焦げそうです。とりあえずレストランでランチ…と思ったけどちょう混んでる。今日平日よ?なんかマダームがいっぱいいる。企画展が黒田清輝なので、それ目当てのひとびとが多いかんじ。むう。常設展もあわせてちょっと品のよいかんじになっているようで。フランク・ロイド・ライトもイチハラヒロコもヤノベケンジも出てないなんてー!

しかしクリムトを生で初めて見られたのはよかった。印刷されたモノを見るに非常に精緻に描かれているもんだと思っていたけど、近くで見たら結構うりゃあ!ってかんじなのね。それがああ見えるのだから不思議。企画展の「ドイツからのアーティストブック+13」もよかったし。美術館単独で訪れるにはちょっと遠いけど、楽しめました。

名古屋市内を通り抜けて大治まで、目指すはピエニトットという小さなカフェ兼ショップ。前回のCCCではオリジナルの焼き菓子を作っていただいたりしたのだけど、お会いするのは初めて。ちっちゃい!かわいい!持って帰る!…おんなのこの半分は通るであろう「大きくなったらケーキ屋さんになるのー」という夢を持ってそのまま大きくなったようなひと。天然ぷりも含めてはぐちゃんみたい。よくばりに何種類もケーキを頂いたのだけど、どれもこれも「おケーキさまさま!」と踊るくらいのおいしさでした。コーヒーを淹れてくれた器も、時間をかけて作ったケーキも、家族が手伝って改装したというちいさなお店も、どれもこれも素敵でした。自分の理想をきちんともって、それに必要な技術をしっかり身につけて、着実に生活をしているかんじ。ある種憧れの生活だなあ。

感じのよいギャラリー兼本屋に寄って、ちょっとのんびりしたらもう日も落ちる時間。レンタカを返しておみやげと駅弁を買ってのぞみに乗って帰宅。最後でヘタレてタクってしまった…。しかし夜行発は元気さえ保てばなんにちも遊んだくらいの充実感だなあ。やっぱりますますカシオペアに乗りたくなってしまったぞ。