西方浄土への旅 3(徳島→高松→直島)


あさごはんはセルフうどん。駅前のちょっとしたお店だけど、じゅうぶんに美味しかった!かまたま+てんぷら二種ですっかりお腹いっぱい。はー。徳島駅はヤシの木が南国情緒をかき立てるりっぱな駅舎なのに、ホームに行ってみればワンマン運行1両編成の気動車が停車してるのでちょっと笑える。

鳴門線に乗って坂東まで。あまりにも閑散とした駅で、コインロッカーがないのに絶望した!さびれ具合に絶望した!結局、駅前のタクシー会社の事務所に置かせてもらうことに(おばちゃん、ありがとう!)。途中までしか行けないので「力つきたら呼びますのでヨロシク!」と。へたれへんろでごめんなさい。15分ほど歩けば四国八十八ヶ所めぐりスタートポイント、第1番霊山寺であります。あまりにも看板がひかえめなのであっさり迷う。ナビウォークを起動してことなきを得ましたが、GPS付きのおへんろってどうなんだ。



第1番霊山寺でおへんろてほどきの説話をいただけるとのことだったんだけど…。売店のおばちゃんがいろいろと教えてくれる(ちょっと俗っぽいかんじだけどね)。白衣も菅笠も手を出せず、金剛杖と納経帳と納札だけ買う。般若心経も覚えていないようなありさまですが、まあご勘弁を。2番極楽寺、3番金泉寺までを2時間半くらいかけてゆるりと歩く。

それだけの間にも、幾人ものおへんろさんとすれ違ったり追い越されたりする。車だったり、バイクだったり。観光バスツアーはさすがにいないみたいだ。すれ違う、ということは、逆打ちで回ってきてゴール間近なのかしら、とかいいながら。そして路上販売をしていたおっさんから、みかんのお接待をいただく。わー、ほんとうにいただけるのか!のどの渇きをいやせるくらいのジューシーなみかんでした。ありがたし。2番さんの納経所でも素人くさい会話を聞きつけてか、「これ、お賽銭入れるのにつかいんさい」とちゃんと裏地のついたいい巾着をいただく。このあたりのひとにとっては、ほんとうに暮らしの一部なんだなあ。



時間切れにてタクシーを呼んだら「あ、荷物も持ってきたけどどこに行く?」だって!どんだけ気の利くいい人たちなんですか!最寄りの駅まで送ってもらう。そうよね、田舎のタクシーは迎車料金なんてないもんね。駅で88カ所を36日で回ってきたおじさんに会う。いろいろ苦労話を伺って、ひとはいろんな思いを背負っておへんろをするのだなあ、としみじみ。こんだけ大きな宗教装置が、世間と切り離されることなく長年にわたって持続しているのはすごいことだ。何年かかるか分からないけど、ぐるりと回り終えたらなにかが変わる気がする。



そのまま二時間がたごとと電車に揺られて高松へ(途中で素敵な駅見つけた!勝手にしやがれ!)。うわ、駅前から港までずいぶん派手に再開発したね…。ごはんをたべるところを見つけられず、ふらふらとさまよう。アーケード街をいくら歩いてもうどんやしか見当たらない。マックとかさえ見つからないのはどういうこと?もういいや、と三越に入ってもレストランフロアがないという。高松の皆さん、おでかけしたときはどこでごはん食べてるんですか!? 結局三越の地下でお弁当を買い込んで直島へ。フェリーの中からもう展示がいろいろあって、気分はすっかり島ムードに。風は強いけど温かく。東京の春風みたいだ。