山下清展 at 郡山市立美術館


一昨日に引き続いて美術館ハシゴ。な、なんだこの混みようは!駐車場は満車、企画展示室内はびっちりと行列でもうすっかり嫌気が差してしまう。それでもとびとびに(順路を無視する悪いオトナ)見て、その技巧の細かさにため息。

「ごあいさつ」の冒頭にも同じ事が書いてあって苦笑いしてしまったのだけど、わたくしにとって山下清はほんとうに「裸の大将」のイメージでしかなかったので。かの作品で描かれているような日本放浪以外にも、あの時代にヨーロッパ旅行に行ったり、現代版東海道五十三次を描こうとしてたり、油絵や焼き物をやったりしていることに驚いた。

いろいろ旅して帰ってから一気に制作するスタイルであの徹底した描写をやりこなすてことは、サヴァン症候群だったのかなあ。油性マジックで(太い「マジックインキ」みたいなやつ)で点描の強弱がはっきりしたスケッチを仕上げるってすごすぎるよ。今回の展示で一番気に入ったのはヨーロッパ紀行の水彩画シリーズ(このサイトでちょっと見られる)。エッフェル塔とかムーランルージュとか。茶色の紙にさらさらと描かれていてとてもかわいらしい。五十三次もすべてが展示されてる訳じゃなかったので、文庫を一冊買うことに(裸の大将遺作 東海道五十三次 (小学館文庫))。

常設展もぐるり見てきたけど、まあ、あんまり。岸田劉生はどこいってもあるなあ。こってりした油絵とかはやっぱりあんまり好きじゃないなあ。ガラス工芸でかわいいのがいっぱいいたけど。そして一昨日宇都宮で見たウサギ、やっぱりここにもいた!バリー・フラナガン作。このひと、ウサギばっかり作ってるなあ。徳島にも福岡にも。宇都宮のはこんなの。

美術館併設でハーブガーデンの野菜をつかった感じの良いレストランがあったんだけど、なんと閉店。競合相手はまるでない立地なのに、お客さんもまるでなかったのかなあ。埼玉県立近代には列を成して人がいたんだけどねえ。ああ、地方の哀愁。