最近読んだ本

わたしを離さないで 親不孝通りディテクティブ (講談社文庫) 調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫)

結構貯めちゃったので、もう忘れたものもあるなあ。

  • わたしを離さないで / カズオ・イシグロ … 翻訳ものはSF以外ほとんど読まないのだけど、まったく接点のなさそうな数カ所でリコメンドされていたので実家配送 → あっという間の2時間でした。「ご存じでしょうが」と既知のように語られるほんのすこし奇妙な物語世界にとっぷりと浸かってしまって、その晩夢にまで見てしまった。推理や伏線を探るのではなく、淡々と頁を繰って本を閉じるのがふさわしいように思える。端正な訳にも惚れたので、もう何冊か。
  • 親不孝通りディテクティブ (講談社文庫) / 北森鴻 … 帰りの電車で一気読み。ひさびさにちょっとハードボイルドな推理もの。連作短編集なので読みやすいし、二人の登場人物が交互に一人称で話を進めるスタイルも良い。それにしても北森鴻は好きだったりダメだったり、作品群によってずいぶん印象が違う。まだ保留だな。
  • 調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫) / 斉須 政雄 … ほぼ日で読んでるときはもうちょっとスマートなイメージだったんだけど、いやあ、熱い!ここまで仕事が人生になるひとの生き方は、話を聞くだけでぞくぞくする。自分はまだ、これほどものには出会ってないなあ。かなり説教くさくも聞こえるけれど、ひとつひとつの言葉にえらく力があるので納得。ひゃ。