最近読んだ本

帰省がてらさくさく本を読む。ちょっと前は新書ばっかりつまみ食いしてたんだけど、ここのところはわりとまっとうな文学ものばかり。いくらでも本が読みたいモードなので、ジャンル問わずワタクシの好きそうな作家のおすすめ求みます。

• ビタミンＦ (新潮文庫) / 重松清 … こないだどっさり買ったのでひきつづき。40才前後にしてこどもとか妻とかといつの間にかしっくりいかなくなってしまった父の物語が七つ。「はずれの夫でごめんな」だの「俺の人生こんなものなのかなあ」だのつぶやく姿はちょっと痛々しく思えてしまう。世の中年はこんなにも思慮深くて切ない思いをしてるんだろか。少し毛色の違う「母帰る」は東京タワーの父親版みたいでよかった。

• 山椒魚 (新潮文庫) / 井伏鱒二 … 実家の本棚から抜いてきた。一冊140円、小口から1cm以上も焼けてしまった古い文庫本。かつて山椒魚を授業で読んだくらいなので新鮮。こういう手触りの文章って時代を感じるなあ。世を捨てたかんじというか。現代の作家ってどうやってもこういう枯れっぷりにならないのよね。不思議。

• PLUTO (3) (ビッグコミック) / 浦沢直樹 … まだまだ序盤の空気。ようやく表の役者がそろったくらいなのに、ここまでドキドキさせられるとは。読み終えた瞬間から次巻が待ち遠しくてしょうがないよー。アトムとウランの仲良しっぷりが素敵。

• 金魚屋古書店 3 (IKKI COMICS) / 芳崎せいむ … まんがばかふたたび。古書店モノってどうしても稀覯書とか本に対する偏愛みたいのがメインになってしまうけど、金魚屋はその辺のさじ加減が絶妙。今回もセーラームーンとかをさらっと扱ってる。いわゆる「古書」的価値の高い作品を扱うときはストーリィ自体もとても練られててほんわりする。オカドメのはなしもねこたま堂のはなしもウルリときます。