最近読んだ本

• イン・ザ・プール (文春文庫) / 奥田英朗 … ずっとジャケ買いしそうだったんだけど、文庫に落ちたので購入。癖のない文体なのでつるつる読めるのに、どのはなしもラストの切れ味が鮮やかで気持ちがいい。もっといかつくて毒々しい雰囲気かと思ってたんだけど、ケータイ依存の話なんてまるで模試の小説問題みたいじゃないか。短編でさくさく読めるし、万人にお勧めできます。

• ナイフ (新潮文庫) / 重松清 … こっちはまさに模試の問題で「ビター・スイート・ホーム」が取り上げられていたのを思い出して手に取った「いじめ」をテーマにした短編集。自らの体験からリアルさを感じることはできないけど、いま生徒を見ていると「こんなんあらへんがな」と切って捨てることもできない。重松作品はこども（だけ）向けに書かれている訳じゃないけど、国語の先生がよくおすすめ図書に挙げている。僕らがたとえば宗田理を読んだように、今の中学生はこういう物語を読むのかなあ。ちなみに「ナイフ」はバンプの同曲を思い起こさせる。prove yourself、てかんじ。

• 紙魚家崩壊　九つの謎 / 北村薫 … ひさびさの新刊！と思ったらずいぶん昔の作品まで集めた短編集。メタミステリみたいのも混じってて、ちょっと予想外。といいつつも一気に読み通してしまって、やっぱり北村作品の目線は好きだなあと再確認。なんとなく、な感じがよいのよね。一番気に入ったのは「白い朝」。こういう語りものにも弱い。

• 鋼の錬金術師 13 (ガンガン コミックス) / 荒川弘 … ギャー、面白い！ここまでヒットしてんのにクオリティが全然落ちないどころか、綻びのない魅力的な物語が進んでいくのってすごい。新刊出るごとに既刊を読み返すって好きすぎだよ！本誌に追いついてしまいたい気もするんだけど、ここは我慢。漫画喫茶に行ったりもしない（自制）。