今日読んだ本

愛がいない部屋 ニシノユキヒコの恋と冒険 とかげ (新潮文庫)

  • 愛がいない部屋 / 石田衣良 … 恋愛短編集の三冊目。やっぱりちょっと物足りない。日頃とても切れ味のよい文章を綴る作家なのに、このシリーズだとどうもベタベタとした印象がぬぐえない。まあ、わりとオトナの愛だの恋だのセックスだのをさらりと書くのもつまらないのかもしれないけど。「神楽坂の高層マンション」という設定はどうしたってブルータワー を彷彿とさせてしまってちょっともったいなかった(こっちの物語はあまりにも衝撃的だったからね)。
  • ニシノユキヒコの恋と冒険 / 川上弘美 … こっちは↑の対極、さらりとした手触りの恋愛連作短編集。決して淡泊であるとか冷徹であるとかそういうのではないんだけど、どうしても人をうまく愛せないひとりの男の話。10人のおんなのひとがそれぞれに語るニシノくんは、いつの時代もとても素敵なのに、なぜかうまく幸せになれない。切ないなあ。
  • とかげ (新潮文庫) / 吉本ばなな … ひとに貸す前にもういちど読もうと思って。でも全然記憶になくて驚いた。同時期にもりもりと読んでいた本は結構覚えているのに。いま読むと結構夢中によめるのだけど、当時はどうしたもんだったか。オンオフ問わず何のメモも残ってないのが残念。も一度全部読み返そうと思うので、しばしお待ちを。