My Oldest Numbers vol.1 / 石田ショーキチ

人生でひとめぼれしたのは今のところ一度だけで、それは1994年のある夏の夜。深夜の音楽番組から流れてきたギターの音に目を向けると、仏頂面したメガネノッポがいて、その楽曲と共にすとーんと恋におちたのだった。"Please Please Mr.Sky"SPIRAL LIFE、そして石田ショーキチ氏との出会い。

そこから4,5年のあいだ、本当にずっと彼に夢中だった。すり切れそうなほどCDを聴き、毎月音楽雑誌を読みあさり、彼らが言及する音楽や作家やその他諸々をかたっぱしから集めたり、セルフレームのメガネをかけたり、ひとつめのピアスは左耳だったり。なんて健気だったのか…。ただ、行き着く目標としては「なんとかして彼らと一緒に仕事をする」だった。個人的に知りあいたいとか、ましてや付き合いたい、とかじゃなくて。(思えばこの「恋心→対等なタッグを目指す」っての、まったく変わってないのな自分…)

石田ショーキチ最新作「My Oldest Numbers vol.1」のアートワークを、まるごと任せていただきました。これまでも、彼の主宰するレーベルScudelia Audio Terminalからのリリース作をいくつかお手伝いしてきましたが、石田名義の作品はやっぱり感慨深い。しかも、彼の20年近いキャリアをさかのぼって再構成する新録盤だなんて。どの曲もかつてのわたしが震えるような想いでリリースを待っていたもの。それが、自分の手で作られたジャケットに包まれて世に放たれるなんて、13才の自分に聞かせたらどんな顔するだろう。なに冗談言ってんの、と一蹴されて終わるかな。

と、いうわけで中身の良さは語るまでもありませんが、外見もがんばりました。ジャケットは北九州の大谷ジャンクション、ブックレット内のライヴ写真などもすべてわたくしが撮影したもの。18年越しのひとめぼれ、いうなればMy Olderst Loverに落とし前をつけるような作品になったと思います。(いや、いまでも十分恋してますけど!)

ひとまずは先週から始まったツアー会場での販売になる模様。くわしくはScudelia.net最新情報でご確認くださいませ。わたしもはやく現物を手にして、でっかい音で生まれ変わった曲たち聴きたい…。