演劇集団キャラメルボックス『また逢おうと竜馬は言った』

「また逢おうと竜馬は言った」4回目の再演。初日を見に行ってきました。個人的に思い入れが深い2000年の再演を軽々斜め上に飛び越えていく、また新しい竜馬と岡本の物語でした。

おっかーさんの竜馬がちょうナチュラルで、可愛らしくてびっくりした。岡田竜馬の凛とした居住まいがどうしたって印象深かったので。とはいえ、今回の岡田竜馬はまた違う感じなのだろうなあ。畑中岡本のへなちょこな感じとすごくよく合ってた。仲の良い兄弟みたいな、ころころと朗らかな関係。

岡内さんのケイコもちょうあらあらしくて、芯が強くて頑固でうつくしかった。でも本当はすごくよわくてやさしい。どんどんもろさが出てする後半がたまんなかった。あと、阿部棟方がツボにはまり過ぎてて死ぬかと思った。なにあのするどい目をした悪人!あんな冷ややかさのある人だっけか、と思うほどに冷徹で凄味があった。でもなんかアホなとこが憎めない。エンジェル・イヤーズ・ストーリーの時からちらちら気になりだしたのだけど、一気にファンになっちゃった。秋の公演「シラノ・ド・ベルジュラック」は彼が主役なんだよな。楽しみ。

我がジェダイ・マスターこと石田ショーキチ全編プロデュースによる音楽も素敵だったなー。どのアーティストのどの音も、その場面でなるべき必然性のある音だった。メインテーマである「君のいた夏へ」はとくに。あのシーンで鳴るのがわかり切ってるのに、歌い出しのブレスで鳥肌が立った。10年前と全然違う声、さらに力強く岡本を支える音。

初日の段階で素晴らしかったのだけど、それでいてまだまだよくなっていくであろう期待もこめて。もう一組のキャスト「空組」のほうも見なくちゃな。そうそう、竜馬と土方がでてくるけど時代劇ではありません。少々へタレで、馬鹿正直な男がぐっと胸を痛めながらも、ちょっとだけたくましくなるお話。ぜひ。

おもえば12年前、彼がわたくしとキャラメルボックスを結びつけてくれたのだ。@wonder2による渾身のレポートはこちら → mu-moエンタメニュース:憧れを超えて行け! 演劇集団キャラメルボックス『また逢おうと竜馬は言った』