クリストとジャンヌ=クロード展 at 21_21 DESIGN SIGHT


会期前からずっと気になってたのだけど、ようやく行ってきた。直前に「上映されている記録映画はぜひ見るべし」とのすてきなアドバイスをいただいたので、ちょっと時間に余裕を持ってでかける。

この日の上映は『クリストのヴァレー・カーテン』と『ランニング・フェンス』。どちらもとてもよかった。というか、1970年代のアーティストのドキュメンタリー映画って、それほど数は見てないけど独特の文法があってとても好き。変にショウアップされてないのに、ひとつひとつの言葉がとても印象的。
なにしろスケールの大きな作品なだけに、住民の賛否両論とか、行政との確執とか、いろいろ考えさせられるところはあるんだけど、なによりふつうに参加してる現場のひとがいい顔過ぎる。ボランタリーなわかものも、仕事としてその場に立ちあっているであろう土建屋てきなひとたちも。ヴァレー・カーテンの設置後に「どうでもいい、とか、知るかよ、という態度ではこの素晴らしさはわからない」 みたいなことを日に焼けた土木現場のおっさんが言ってるのにかなりぐっときた。なにが彼らにそういわせるんだろうかとずっと考えてるんだけど、結局はふたりの「うつくしいもの」に対する確固とした意思なのかもしれない。そのブレのなさがあるからこそ、周りをぐんぐん巻き込んでゆくパワーがあるのだろうな。

21_21の展示っていつもちょっとスケールが小ぶりなんだよな、と感じるんだけど(まあ、それは今回も)、映像をしっかり見られたおかげでとても満足しました。見られなかったものもいつか見たい。それよりも、実際の作品に立ち会いたい。『オーバー・ザ・リバー』は2013年、コロラドか。