高架下初詣

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三が日のうちに実家を出たのは、ゆかいなみなさまがたと初詣にでかけるため。例によって大山総裁の呼びかけによる「飯田橋から日本橋まで、水の上にそびえる首都高の高架下を鑑賞しよう」ツアー(同じルートを逆向きに歩いたDPZの記事はこちら)。なんらかの組織立った計画があるわけでもなく、主催からの解説があるわけでもなく、ただ大人数(集まった数、なんと50人あまり!)で、橋脚や橋の造作を眺めながらブラリ歩くという時間でした。結局は日本橋箱崎ジャンクションまで足を伸ばした5時間あまり。よく歩きました。
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首都高のこの辺りは、東京オリンピックにあわせて急ごしらえで計画された(=用地買収の問題が少ないお堀の上に道路を作った)ので「良くない景観」の代表格として語られがちなんだけど、半世紀近くも経った今となっては、これが「東京の風景」を成す重要な成分のひとつになっているかもしれず。主に橋の名付けなんかに時折顔を出す江戸時代の面影も楽しみつつ、でした。

たとえばここ。江戸城の石垣の上に橋脚を作ってるんだけど、いちど崩して基礎を打った後にちゃんと積み直してる(ややてきとうに)。面白い。

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それにしても個人的な今回のスターは「落橋防止装置」。要は橋脚に乗っかってる平面部分が落ちないように支える役目をする。ケーブルを張ってあったり、大きなボルトで止めるようになっていたり、乗っかる部分(けたかかり長といいます。声に出したい専門用語!)を継ぎ足すようなパーツであったり。中盤以降はすっかり彼らに釘付けでした。

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阪神淡路大震災をうけて、大地震発生を想定してのものなので「本来おれたち役に立っちゃいけないんだけど…」といういじらしい佇まいから含めてすっかり好きになりました。種類はそれほど多くないけれど、設置場所によってぜんぜん表情がちがうので気になる。「本当に効果があるのか」ってところも含めて、ね。

あと、あの辺の公衆女子トイレがひたすら男の子連れだったのがどうにも気になる。なんで。

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箱崎までたどり着いたらもうすっかり日も落ちていい時間。八岐大蛇のような箱崎ジャンクションにみんなでお参り。大勢で見上げている姿があまりに不審だったのか、斜向かいにある交番から警察官がやってきた。これこれこういう訳なんです、と話をしていたら「なんか工場の次はジャンクションが流行ってるみたいですね」とのこと。…わぁ。「結構若い方いらっしゃってますよ」とかいろいろ昨今の状況を聞いた後で「それ、どっちもぼくの本なんですけどね」ってきちんと落とす大山さんすてき。

ぞろぞろと移動してみんなで打ち上げ。正月シフトでフロア1/キッチン1の笑笑に36人でなだれこんで、5時間しゃべり倒すってどこのサークルかと。こんな集まりにやってくるだけあって(褒め言葉です)、ジャンルは違えど何か夢中になっていることのある面白い人ばっかりでした。おおよそ初対面とは思えない雰囲気がすてきで、いっぱい勉強になった。世界は広い。