僕はぬけがらだけおいてきた


あなたを好きでいたこともあるよ
僕のぬけがらだけは おいてゆくよ

蝉時雨の降りしきる公園に涼みに行ったら、ビニル袋に詰められた蝉の抜け殻が木に止まってた。

おおかたこどもたちが大はしゃぎで集めたものを「そんなもの返して来なさい!」って言われて、捨てるに捨てられずからめておいた、といったものだろ。捨てられないわよねー。

ブームをくちづさみつつ「空蝉」って言葉がこの世に生きる人の事だ、という古典的知識を思い出して少しくらっとする。今生きているこの自分が蝉の抜け殻みたいに空虚なもんだ、なんてとっても思い至れる境地じゃないわ。平安びと恐るべし。

うわ、もう八月か。毎年の事ながら、宿題終わってないなぁ。