三遊亭楽太郎 春風亭昇太 二人会 at 沼津市民文化センター

初落語だ、というひとに誘われるままに沼津へ。22,3のころはかなり足繁く通っていたけれど、寄席に行くのは4年ぶりくらいか。しかもこんな大きなホールで見るのは相当久しぶりだ。520ちょっとの小ホールは昼夜どちらも完売だったそうだ。

本日の演目

楽さんの声が良過ぎてくらくらする。笑点で見るよりずっと年を取って見えて、そのぶん声のすごみが迫ってくるような。いつまでも聞いていたいような声でうっとりしつつ爆笑してました。マクラのお国言葉話で駅のアナウンスを話の種にしてたんだけどふぐすまのにんげんはそっだらなまってねえってばよ!

兼好師匠は、噺のタイプもあるけどのらりくらりしてて素敵でした。元犬って初めてきいたのだけど、何故か聞く端から宮本福助の絵で映像化されて参った。拝み屋のキャストで言うならシロが平井で、口利きが大家さんで、ご隠居が三爺(どれでも可)。とかいって、このイメージを共有できる人はいるのだろうか…。

そして夜の部ではトリの生昇太はすごかった。すげかった。疲れた(笑)。なぜかマクラに去年の紅白の森進一ネタをやってたんだけど物まねが壮絶過ぎて、もう二度と森進一の歌う姿を正視できない気がする…。きちんと古典をやってくれたので嬉しい。一番始めに行った寄席が各派が集まって古典ばかりかかるローカル寄席だったので、やっぱり八っつあんご隠居の世界観が好きだ。

久々に見て感じたのは、からだひとつで魅せる芸事としてやっぱり落語は最強じゃないかということ。座布団から立ち上がりもせず、からだ向きひとつで何人もの登場人物を演じ分け、ふっと袖を振るだけで場面も時間もめまぐるしく変わる。まあ、一定以上の言語と体験の経験の共有がないと、お客さんさえになれないというハンデはあれども(昔上方落語を見たときに、言葉を理解するのに精一杯で笑う余裕がなかったのはあまりに衝撃的だった)、あの世界の描き方は鮮やかさは見事すぎる。久々に落語熱があがりました。またちょこちょこ寄席に行きたいな。近所のローカル寄席も探してみよう。