スティーブ・ジョブズの流儀

スティーブ・ジョブズの流儀

スティーブ・ジョブズの流儀


Appleの本質とはなんだ?
それは、ただ仕事をするのではなく、世界を変えるため、世の中に一石を投じるものを創造するために、コンピュータの力を借りたいと思っている人たちの事だ。

ビジネス書なのか生きざま本なのか、はたまた成功と挫折を行き来するひとりの男のサクセスストーリーか。どれにしても名著。アップル本/ジョブズ本は多々読んできたけど、読後のワクワクするかんじとか、顔がにやけるかんじはこれが一番です。

ワタクシが初めてMacintoshに触れたのはもう20年前(ブギャー)の事で、実家が「Macintosh専門ショップ」という間口が狭いにもほどがある商売を始めたのが14年前。本書に依ればちょうどアップルが一度傾き出した頃だ。

彼が一度は追われたAppleに復帰した、iMac前夜ぐらいの時期から彼の人となりを描きつつ、Appleという会社のスタイルが綴られている。強烈すぎる個性が会社のポリシーそのものを作ってると言っていいし、それに心動かされたひとが(自覚はなくても)Macを使ってるのだろうな。

外観以外にほとんど差のないいわゆるPCと、Macを単なる売上で比較する事になんの意味もない、って指摘にニヤニヤ。土俵が違うのよね、確かに。Macユーザって不思議とMacそのものを偏愛しがちだし、その偏りぶりを楽しんでるきらいがあるのだけど、まあ、実際ジョブズ教信者みたいなもんでしょ。ハードからOSからソフトまで、すべてを一貫する意志があるってのは他のメーカーではほとんどあり得ないし。時折暴走に過ぎて手痛い目にあったりもするけれど、そこで賭けに出られる強さと自信にはほれぼれとする。

なあんて言いながらも、自分はヘビーユーザだけどパワーユーザではないと思ってるんだけどね。ペンや絵筆や楽器やナイフや金槌とか、あらゆる道具の中で、一番馴染みのいい相棒なだけ。ハック方面にはそれほど興味がないし。実は「コンピュータ好き」じゃあないのよ。学校でちびたちに教えてるのは窓ズだしね…(号泣)。