THE JETZEJOHNSON TOUR "Discoveries" at 渋谷クラブクアトロ


地図を広げ 旗を広げ 虹を目指せ
泥だらけの靴のままで 虹を目指せ
僕は今日から命がけで 土砂降りの中を駆け抜けていく

SEが流れ、客電があがり、終演を告げるアナウンスが流れても、鳴り止まない二度目のアンコール。彼らを求める拍手と歓声に応えるように現れ、一切の同期ものを使わずに、4人のバンドだけで鳴らすのがこの曲だなんてちょっと美しすぎる。なぜかって?いつもは割とトラッドな服装のじゅにあ氏が、今日は虹をモチーフにしたTシャツ着てたんだよ!
"Discoveries"ツアーの最終日、平日にも関わらず結構な客入りに驚く。ずいぶんロックキッズっぽいひとが増えたかもしれない。開演前のアナウンスでは「踊りたい人,暴れたい人はどうぞ前へ。じっくり見たい人は後ろへ」なんて一幕も。全体を見渡せるように、フロア最後方に陣取ったんだけどやっぱり無理だった。Dancetekのイントロでミラーボールが回るのに我慢できなくなって前方へ。カミテ側スピーカの真ん前で心ゆくままに音を浴びる。

ツアー初日のQueワンマンと同様に、基本的にはアルバム"Discoveries" の流れを踏襲したセット。だけど、その印象が大きく違うことに驚かされた。すでに10年近くキャリアを重ねてきたバンドが、たった1ヶ月半、5本のツアーでこんなにも変わるのか。たぶんそれはテクニカルな部分ではなく、バンドの心意気の問題で。今までのジェッジには、常にパーフェクトな仕上がりを理想とする雰囲気があって、熱狂の中にもふと冷徹さが見え隠れしていたように思う。それはシーケンスを多用するステージ構成のせいもあるのだろうけども、見慣れてくると「パッケージ化」された時間のように感じてしまうこともあったのだ。前回のQUEも、Discoveriesの世界を完璧に体現したライヴであったしね。

それなのに、昨日は不思議なまでに、生の、ライヴ感をもったステージだった。100%じゃなくもっと先へ、ステージとフロアの熱狂が一緒くたになって、彼らの理想のさらに上をいくような熱い時間だった。こういう熱っぽさ、今までのジェッジにはあまり感じなかった。そう、昨日はお客さんも熱かったんだ。かつてじゅにあ氏をして「400人の沈黙」とまで言わしめるほどにじっとステージを見つめる人が多かったのだけど。轟音に体をゆらし、熱く拳を振り上げ、踊り、叫び、声を枯らして歌う。そして、心からの喝采をおくる。

今までに数えきれないほどのライヴを見てきたけれど、バンドの勢いとフロアのテンションが釣り合ったときに、ステージから風が吹くような瞬間が訪れる。それは年に一度もないようなことなのだけど、昨日のクアトロでは確かに風が吹いた。彼らも、私たちも、この風に乗って高く遠く飛べるはずなんだ。一緒に、飛ぼうぜ?

すでに本日から(!)2ndアルバムのレコーディングがスタート、6/1には夏フェス出演のアナウンスがされるとのこと。楽しみです。

setlist:Quadra / Dancetek / QUIT and REBOOT / Ridham AR / Girl of Mark / Amy / Ridham M / Vitalogy / Terminal Breakdown / 02mixedLouder / Buskes / Tide of Memories / Thousands of Brave Word / Coma
encore: Diva / Battle of Dusseldorf
double encore: N/A