スティールパンワークショップ at Earth Garden

スティールパンは不思議な楽器です。少しでも強く叩くと本来の姿、鉄の荒々しい音が戻ってきます。バンドの誰かが、がつんと響かせたその音だけで、何回か素晴らしいソロや気持ちよく決まったブレイクを捨ててすべてをやり直さなければなりませんでした。そんな時です。この不器用な楽器はただの鉄からできているのだと思い知らされるのは。そして弾丸も爆弾も、たいていの武器も同じ鉄からつくられたのだということをおもいだすのです。
ただひたすらに破壊するための鉄、、、
だから私たちは、スイートな音を作ろうとして、この楽器を限りなくやさしく叩くパンの戦士たちの勇気に拍手を送りたいのです。

YOICHI Watanabe "スティールパンは世界でいちばんあたらしい楽器"

という話に鳥肌がたつような思いをして以来(そのあとに教えてもらった「祝祭と暴力」という本もよかったのです)、ずっとスティールパンに触ってみたかったのですが、ついにそのチャンスがやってきました。Earth Gardenというオーガニックなイベントのなかのワークショップ。講師は国内初のプロオケでもある、パノラマ・スティール・オーケストラのみなさま。豪華!

今日はいちばん高音域、主にメロディを担当するテナーパンのてほどきをうける。手の幅にすっぽり収まるくらいのちいさなマレットの先はゴム、ほんとうにやさしく叩くだけでころんと鳴るのでびっくり。少し力をこめるだけであっという間に音が尖る。うわー、ホントに鉄の音だ。

全音階をのぼっておりて(なぜか「ミ」をよく間違える)、どどそそららそ、とくちづさみながらきらきらぼしをあわせる。トレモロんときに自分の手首があまりに固いのにうんざり(笑)。楽器ごとに3パートに分かれて、T.Tという、パノラマの代表曲をBメロまで特訓→あわせる。初めてパンを触った人10人だから、全然うまいわけがないんだけど(笑)和音の響きの上で跳ねるのは気持ち良かったー。倍音の美しい楽器なので、複数で合わせるとほんとに素敵な音になる。

しかし、完全にアコースティックな楽器なのに、道行くひとがつぎつぎと足を止めるくらい大きな音で鳴ることに驚く。打楽器のシンプルさ+メロディを奏でられるのはいいよなあ。同一の打面で音階を奏でるので、全ての音が干渉しあって鳴るのがとてもうつくしいひびきなのです(ここのサイトでお試しできます)これはちょっと夢中になりそうですよ。


いくつかの学校の総合学習として、自分でパンを作る→演奏会をする までのプロセスを1年でやるところがあるみたいなので、その辺もちょっとリサーチしたい。エリパン・スティール・オーケストラ、とか来年の文化祭でどうだろう(どうもこうも)。