Podington Bear


暖冬のせいで今年はくまが里を荒らしたりしてるようだけど、とても誠実でおだやかで、さらには頭の切れるくまに夢中なのです、実は。彼の名は(彼、だと思うな)Podington Bear。決してPaddingtonではない。オレゴン州ポートランドにいらっしゃるそう。

"I`m just a regular bear." (自分、ただのくまっすから)なーんてうそぶきながら、月水金とかかさずPodcast経由でユルめのエレクトロミュージックを届けてくれる勤勉なくま。これが普通なら、くま社会ってどれだけ勤勉なんだ!と言いたくなるくらい。

2月のあたまに教えてもらってからというもの、妙なリクエスト(馬の曲作って!とか)に応えたり、時折楽曲解説がえらくリリカルになったりする、そのくまがら(…)にすっかり惚れ込んでいたのだけど。2/23に書かれた Thoughts on Music(くまはブログも書く)というエントリですっかり骨抜きにされる。やっぱりこいつただくまじゃない!

内容はと言うと、その少し前にApple Corp. のスティーブ・ジョブスが発表して各方面で論議を巻き起こしていたThoughts on Music(日本語訳)に応えるもの。自分(くまの一人称ってこれでいいのか?)がやっているPodcastingを基に、音楽流通の新しいビジネスモデルを提案しているのです。

よくよく読むと細やかなフックが効いていておもしろいのだけど、第1パラグラフを読むだけでで煙が出そうなひとは(ワタクシです)、簡潔に書かれたPDFだけ見てもくまの意図はわかるかと。えらくざっくり言えば、配信される音楽ファイルに広告を埋め込みませんか、て事なんだけど。今自分の提供するPodcastがどれくらいのひとに聴かれているか、ということがきちんとデータをもとに説明されていて好感が持てる。

既存の音楽配信だとか物流を介した音楽ビジネスとはまるきり違って、今ある仕組みをごくシンプルに、そしてみんながハッピーになれるようにうまく使ってるなあ、という印象。すべての楽曲のDRMが解除されることが、本当におこるとはなかなか思いづらいけど、志あるインディーズのひとびとがこの仕組みで音楽を作っていくことは可能じゃないか、と思える。こいつ、ほんとにくまか?

ま、そういうのはさておいたとしても、このゆるーいエレクトロサウンドはおやすみ前にとても心地よいです。スマートプレイリストで流しつつ寝るのがおすすめ。