Slip Out @ Freakyshow

沼津のひとに車を出してもらって日暮れゆく国道1号線を西へとすすむ。「静岡が日本のデトロイトなら清水はピッツバーグ!」とかいいながら。確かに薄やみの空に浮かぶ煙突群はすごい景色でした。昼間の好天もあって、周りすべてを茜色に染めて、柔らかい黄色を通り抜けて紫、群青へ。その間ずうっと太陽に向かって進んでいたのでとても綺麗でした。

とっぷり暮れてまろい月が出たあたりで静岡着。寒い!目指すはSlip Out @ Freakyshow。テクノ畑はよい先達を見つけられなかったせいもあって、今まではちょいちょいとさらうくらいだったけど、あのデリック・メイ(さすがに知ってた)が来るぜ!と熱く語られる+もう10年来の友人も回すらしい というのでひょんと行くことになったのでした。

小一時間ばかりいたあたりで、「そうか、俺たちBPM早すぎなんだ!」て同行のDJ氏が言っていたのがまさに言い得て妙。流れるリズムの好きなところ捕まえていつまでも踊ってられるもんなのね。日頃行くイベントはジャンルの差こそあれ、キラーチューン一発で燃え尽きるような感じなので、非常に対照的。そのせいか妙におなかが空く(えー)。途中で抜け出して無印MEALに行ったりちょっと呑んだり。黒はんぺんの磯辺揚げが最高でした。

肝心のデリック・メイは、「神様」って呼ばれてるのがわかるくらいに素晴らしかった。どこがどう特別なのかはなんだかよくわからないんだけど、とにかく音が鳴ってるだけで気持ちいい。沸き立つ観客にフリスビーみたいにレコード投げたり、「ミナサーン、ゲンキデスカー?」なんていかにもな感じもとてもよかったなあ。2時間半たっぷり煽られて踊らされた訳ですが、あれ結局何時までやってたんだろう。フロアもブースもどっちも元気だわ…。

そうそう、ここのクラブはまさに「ハコ鳴り」するほど低音ががっつり出るのだけど、床が少し浮かせた板張りになっていたのがとてもよかった。スピーカ目の前に立つと、足裏がくすぐったいくらい震える。自分のハコを持った暁には(そんな日があり得るのだろうか)ぜひ実装したい仕様。

二時過ぎに静岡を出て、工業地帯のライトアップがあまりに攻殻機動隊なかんじにびっくりしたりして沼津まで帰る。「豊かなボディ」というビールらしからぬ形容詞の付くビールをいただいて就寝。夢も見ません。