生誕100年 ダリ回顧展


世の中で一番嫌いな場所は人ごみでごった返す美術館。

平日の夕刻だからさほど人もいるまい、と思って行ったのだけどなかなかの人出。チケット売り場もロッカーも傘立ても空いていたのにな。これを空いているというのなら混雑時はどれだけのものになるのやら。あまり広い展示ではないようなので、先に奥の方を見に行って(たいてい後半は疲れて人だかりも減る)ぐるりと戻ってくる(回ってきたら閉館直前だったので空いてた!)。

どれが高い評価を受けている作品かなんて全然知らないのだけど、「船」という作品が気に入りました。大海原に浮かぶ帆船を描いた他人の作品(商業印刷、と書かれていたので、量産のポスタみたいなもんだろう)に手を加えて、まったくそれがわからないように、自分の作品のようにしあげたもの。船と一体化した女性の姿。オリジナルのものも参考出品で並べられてあって、じっと見比べても全然わからない。むしろオリジナルのマストの先が指先に見えるような気さえする。

ううむ、諸橋近代美術館(dali.jp!)の方が好きなものが多いかもしれないなあ。ここはダリの作家が以外がほとんどおまけのように扱われている常設展示がとても好き。彫刻だのなんだの、立体の作品もたくさんあるし。あの、てろーんとした時計が実体化してるだけでも結構な衝撃だから。上野の展示はすべて絵画だったのでちょっと物足りない。

ミュージアムショップに「ダリ回顧展限定ごまたまご」が売ってたことが一番の衝撃。や、いくらたまごをモチーフにした作品が多いからってさあ。ここが上野だからってさあ。そりゃあねえぜ。ぬいぐるみはうさんくさくて素敵。