最近読んだ本
わかりやすく偏りのあるラインナップ。
- ざらざら / 川上弘美 … あいかわらずすき。おとなだったりこどもだったり、離れていたり近過ぎたり。そしてそのなかで、恋が実ったり実らなかったり。いろんなかたちの恋物語。ぎとぎとした恋愛小説には辟易するたちだけど、これくらい淡淡としているほうが、よっぽど感情移入してしまう。(それでも主人公たちは恋心に胸を焦がしまくっていたりするのだけど)
- きみの友だち / 重松清 … 二人称の物語はあまり読みつけないのだけど、状況の設定によってはものすごくリアルで残酷なものを突きつけてくるなあ。「千羽鶴」は全校読書プリントで配ったりもしていたんだけど、いやはや。そういうちくちくを積み重ねて、はじめて一人称で語られる最後の章におお泣き。べそー。
- その街の今は / 柴崎友香 … 何作読んでもうまいんだか下手なんだかわからない。でも読めば心地よいのでついつい新刊が出るたびに手にしてしまうのでした。「街の記憶」とか「街とわたし」とか、そういうトピックの切り取り方がすきなのかも。
- 小説の自由 / 保坂和志 … ちまちまと読んでいたのでようやく読了。いろんなことを考えすぎてしまうので、あと3ターンくらいかけて、かんで含めるようにお付き合いしたい。
- 三位一体モデル TRINITY / 中沢新一 … ふむ。なるほどなあ。本文に座談会をつけたところが編集の妙、といったところかな。「え、それでいいの?」という誤解含みの内容もあったけれど、あれくらい具体的なレベルに落として語ってくださると腑に落ちる。ただ、本文のなかで論ぜられているキリスト教的なものの考え方については、三段跳びくらいで話されているので追いつけずにいるかんじもある。そういうライヴ感も含めて魅力的な本ではあるけど、もうちょっといろいろ補いたい。