たぶんこのまま素敵な日々がずっと続くんだよ!


風冴えるクリスマスにダッフルコート着たひとと東京タワーに出かけるなんて、まるきりドアノックじゃないか!いろいろ当てが外れて、結局は老夫婦みたいなデートになってしまったのだけど。

本日いちばんのお目当ては 続・はじめての落語。立川志の輔ひとり会 結構な倍率のプレリザーブだったのに幸運にも当選(こういう運は結構つよい)。ラフォーレミュージアムに座布団を敷いて落語を聞く、という体験はなかなかできるもんではなさそうね、とわくわく。

あっちに行くなら東京タワーに行きたい!と渋る氏をひきずって神谷町まで。関東で育った人はおおむね東京タワーを小馬鹿にするのだけど、わたくしいくつになっても好きなんだなあ(たぶん小沢くんと東京BABYLONの影響じゃないかと思う)。クリスマスとも言えどもそんなに混んでないだろう、と踏んで行ったら。…場外までロープ張って人を整理してるし。したがこんなんじゃあ特別展望台は満員電車状態だろうよ。ぐるっと一周見上げて、登るのはまた今度ね。

サブジュバーンまで勘を頼りに歩いて、豆源でおとぼけ豆と南京糖を買う。あべちゃんでちょいとつまんでいこうと思っていたらなんと日曜定休!更科堀井で一杯ひっかけることにする。そば屋で呑むってのは結構憧れだったので嬉しい。

日も落ちた頃ラフォーレミュージアムへ。まったく客層のつかめない感じで面白い。今日は二席+こたつトークwith糸井で三時間半、というのんびりスケジュール。志の輔師匠がガッテンではなく落語をやっているのを見るのも初めてだったのだけど、声がいい。噺家さんにはひとつの声にいくつもの音を混ぜることが出来る人が多いような気がするんだけど、彼の声は非常に耳ざわりがいい。すこし掠れた声とよく通る声が同時に聞こえる。トーク中とかはぜんぜん普通の声なんだけど、噺を始めた途端に魅惑的な声を出す。すごいなあ。

今回は「はじめての落語。」なので、マクラにほろほろと落語にまつわる思いだとかを話してくださって、それがたいそう面白かった。特に「落語は日本人のバイブルである」というくだり。日々の生活の中で誰もがやっている「自分の体験をちょっとおもしろおかしく話す」という手法が極限まで磨かれたのがひとつひとつの噺であり、それは日本人が心地よく、おかしく暮らすための規範にも成りうる、と。なるほどなあ、と膝を打つ。糸井さんとのこたつトークでもわりと似たようなテンションの話をされていて、落語を楽しむだけでなくいろいろと学ぶところも多かった。

22:00終演予定がばっちり30分伸びて、横浜まで戻ってきたらもういい時間。どこかお店で飲み直そうと思っていたけど、コンビニでつまむものを買って、家でこないだ頂いたボジョレを呑むことに。いちにち通してクリスマス特有の浮かれた感じはぜんぜんなかったけど、ずいぶんと刺激のあるライヴでよかった。こういう頭の使い方をもっとしなくちゃいかん。