「日本の童謡 白秋、八十−そしてまど・みちおと金子みすゞ」展 

日曜の午後から仕事で関内という現実をうまくすり替えるために、優しくて物腰の柔らかい先生を演じる、というテーマを自らに課す。平素はテーシャツ+紺カーデ+カーゴパンツ+リュック なんて格好だけど、黒のフレアスカート+タートル+黒別珍ジャケット+ハイヒール+お団子頭+サザビー質実剛健な鞄 と気分は先生コス(コス、って…)。早い時間に家を出て、海の見える丘公園へ。目指すは神奈川近代文学館

学校に招待券が届いたので何の気なしに行ったんだけど、ロケーションも良いし「文学館」という空間の特殊っぷりもあって非常に楽しめました。自分が幼い頃に歌った楽曲が実は80年も前に作られたもので、作者の直筆の楽譜が残っているという凄さ。原稿用紙に万年筆で書く事で残される言葉選びの逡巡とか、重ねられた推敲。官製ハガキに力なく綴られた自責の念。旅先から綴る祖国への思い。何とも饒舌なものだなあ、と思う。

最近そういうものへの憧れがつよくなってきたなあ。仮にもアイテー教育の前線にいるんだけど。たとえば大学時代の写真なんて、ほとんどデジタルデータなので散逸しちゃってる。「デジタルの方が保存性に優れている」という物言いは本当だけど正しくないなー。

と思考は脇道にそれつつも満喫。ミュージアムショップに「吾輩ハ猫デアル」の初版装画をモチーフにした一筆箋が売っていて小躍り。三田の図書館でひたすら挿絵だけをコピーしたことがあるくらいなので嬉しい。漱石山房原稿用紙も売っていたのだけど、さすがにこれはなかなか使えない。

丘を下って元町を通り抜けて石川町まで。モスでかるくご飯を食べて、さ、仕事だー。