目黒川クルーズ

集合時間にはまだモノレールのなか、駅を出ても集合場所がわからない、徒歩五分って冗談じゃね?と数々のピンチを乗り越えて、息せききってなんとか出港には間に合った。ていうか後発部隊の幹事役を仰せつかっていたはずなのに…。ごめんなさい。まあ、みんなちゃんと揃ってたし!

ちょうど暗くなりはじめの頃に出港して、折り返しの頃にはとっぷり日も暮れて夜景の中を戻ってくる、といった時間感覚。いちおうは「目黒川夜桜クルーズ」だったはずなんだけど、みんな桜そっちのけ過ぎ…。早い便だとまだじゅうぶんに明るかったので、見えたものも違ったのだろうな。オフィス街の夜景やいくつも川を横切る鉄道のあかりにうっとりしっぱなし。せっかくいただいたビールをあけなかったのは寒風吹きすさぶせいだけじゃない。

天王洲ピアから出て、すぐに目黒川に入る。2月には寒緋桜が満開だった荏原神社の太鼓橋ふうな橋をくぐって、京急新馬場駅第一京浜を連続して通過。東海道本線、ちょっと高い東海道新幹線の向こうには山手線。山手通りを抜けてほどなくするともう大崎で、巨大なオフィスビルがたちならぶ。もう一度山手線をくぐるとネオンが賑々しくなる五反田で、東急池上線のホームはちょっと川の上にはみ出してる。やたら幅の広いのは国道一号で、橋桁がやけに黄色い首都高目黒線が高いところを走り抜ける。営団の車両が走ってる、と思ったら東急目黒線で、ちょうど目黒雅叙園のあたりで「この先は長靴があれば歩いていけます」と言われるほど浅くなって、涙をのんで折り返し。中目黒のあの桜並木は流石に下から見たかった。来年はゴムボートでも出すか。

同じルートを辿っての帰路、最後の橋をくぐった瞬間に潮の香りがしたのがとても印象的。「あ、ひらけた」って感覚的にわかる。水系が繋がってるわけじゃないんだけど、今日は源流から海まで一日かけて旅してきた感じ。うちあげはさくら水産だったしね。外洋まで漕ぎ出したようなもんです(てきとう)。