NANO-MUGEN FESTIVAL 2009 day2 at 横浜アリーナ


15才の自分が田舎で膝を抱えて聴いてたバンドと、22才の時に手作りCDRを再生した途端に度肝を抜かれたバンドと、28才の今ベスト3に入るくらいライヴが楽しみなバンドが、家から20分の会場で一堂に会するなんて、どんなにすてきですばらしいことなんだろう。ナノムゲン、ほんとうにほんとうに素晴らしいフェスだった。ゴッチなんてもう呼ばない、後藤さんあんたほんとうに偉いよ!
■FARRAH acoustic set
マニックスのキャンセルを受けて、客入れ中の予定がちゃんと開演時刻を回ってからの演奏に変更。よかった。うっかり最前ブロックへ。ちょうキャッチーで耳馴染みの良いメロディに甘いヴォーカル。フロアとのやりとりも温かくて、ちょっとの時間で終わるのが惜しかった。こんどはバンドセットで見たいなあ。

サカナクション
横アリみたいに広い会場でも、まったくもう押し負けることなくむしろ広々と優雅に泳ぎきるようなライヴでした。緊張がみえるのは一郎くんのMCだけだった。いやはや、すっかり大物の貫禄。セットリストはこないだのzeppと同じ、夏の出稼ぎ版といったかんじ。

Ame(B) / ライトダンス / ネイティブダンサー / セントレイ / アドベンチャー / ナイトフィッシングイズグッド

NADA SURF
祝、初来日! 音源は大好きでとてもよく聴いていたんだけど、ライヴだと予想以上に男くさい3ピースバンドで驚いた。Always Loveとか、あんなにメロウなのに拳振り上げてシンガロングだし。ライヴの雰囲気の方がより好みですわ。ああ、明日単独なのか…。

この先ホントに休憩するヒマがないので、「泣いてヤンパンを斬る」という格言を残しつつひるごはん。ナノカレー、オリジナル海苔のアイデアは面白かったんだけどカレーに海苔って正直合わないと思うんだ…。

ユニコーン
ええと、なんだ、あの、まさかの寝落ち!今まで全然通ってないし、再結成されてもあんまり興味ないとは言ってたけど、あんなに穏やかに眠りに落ちるとは思いませんでした。ま、三階スタンドで座ってたせいもあるんだけど。きもちよかった(笑)。

Ben Folds
実は初めてのベンさん。パーカッシヴなピアノにすっかりしてやられる。転換MCでごっちも言ってたけど、ホント裏声がすばらしい。この日は海外勢がやたらオーディエンスになにかさせようとしてたんだけど(ハンドクラップとか、ちょっとしたダンスだとか)きちんと通訳までステージに呼んで指示をだして、フロアに三声コーラスを取らせたのが本当に素晴らしかった。グランドピアノの上に立って適当な指揮をしてみせてたんだけど、人の声があれだけの数重なるのってそうそう聴けないのでちょっとそれだけでも鳥肌がたつ思いをした。たまらん。

転換の間にマニックスのライヴ映像が3曲ばかり。曲の終わりにフロアから拍手があがってたのがとてもよかった。見られなかったのは残念だけど、ま、またの機会を。

スピッツ
本当に驚いたときって、口から勝手に甲高い声が出るということを知った。「今」始まりなんて見たことないと。どんなハヤブサツアーかと。「ハヤブサとかやんねーかなー、やるわけねーなー」って言ってたのに。しかも「俺のすべて」って。なんだかもう泣くしかない。てか泣いた。思った以上にスピッツの楽曲はいろんな思い出にリンクしてる。あっという間の30分、今のガツガツしたライヴのイメージからすると、また石田さんと組んだらすごいものができそうだなあと思った。

今 / 放浪カモメはどこまでも / チェリー / スパイダー / ガーベラ / 8823 / 俺のすべて / 僕のギター

HARD-FI
転換中に「歌がヘタクソで有名なリチャード」という名言が。マキちゃんありがとう、おかげで心の準備ができたよ(笑)。
なんかよくわかんないけど「ボーカル、変」という感想が。いや、音はすごくカッコいいのだけど。なんか変なヤツだ、あれ。

Asian Kung-fu Generation
アジカン見るのいつぶりなんだろう、と思い出してみたらおそらく自分が店にいた時のcave-beツーマン以来見てない。その時の集客、50行ってなかったんだよなあと思って目眩くらり。たった6年なのか、もう6年なのか。この時点でもう思い出迷子。

まともに聴いてたのは多く見積もっても君繋ファイブエムまで、一番好きなのは自主制作の2nd、というひねくれリスナーなので半分思い出迷子でぼんやり聴いてたら、尖ったリフにぶん殴られた。ちょ、ちょっと待って、なんで今日ここで「羅針盤」をやるのか。22,3の頃には、バンプLAMPくらい(ひどい比較対象…)過剰な思い入れを抱えて聴いてた曲なので不意打ちは危険すぎる。

あまりの出来事に曲が終わって次の曲になってもぼーっとしてたら、今度は「遥か彼方」で死ぬ。平素のセットリストを全然知らないのでなんとも言えないけど、なんで崩壊アンプリファーから2曲もやるか。その後はすっかりライヴのテンションに乗りきってはしゃぐ。というか、膝が笑うまで踊り倒す。うーん、軽量化の効果がでてるわ。

夜のコール / 稲村ヶ崎ジェーン / リライト / 羅針盤 / 絵画教室 / 夏の日、残像 / 藤沢ルーザー / 遙か彼方 / 暗号のワルツ / 惑星 / Re:Re / アンダースタンド / 君という花 / 転がる岩、君に朝が降る
en: ループ&ループ / ワールドワールドワールド / 新しい世界

毎年ナノムゲンの告知を見るたびに「お前は俺か!」とブッキングのセンスに惚れ惚れしてたけど、ホント行って良かった。ことあることにメンバーが出て来て、ちゃんとホスト役をつとめてて「自分たちの好きなものを、自信を持って聴かせる」って方向性がぜんぜんぶれていない。もちろんここまで大規模に、海外のアーティストまで招聘できるのはバックグラウンドの強さもあるだろうけど、それ以上にメンバーの意思みたいなものがちゃんと見えるのがすばらしいと思った。

こないだのOCEANLANEのもそうだけど、アーティスト主導でちゃんと志を持った企画って本当にすてきで居心地がいい。フェスにせよイベントにせよ、最近ちょっと大人の事情ばっかりが表に立ちすぎるんだもの。こういう心地の良さがもっと広まればいいのにな。来年も、行きます。