演劇集団キャラメルボックス 『ハックルベリーにさよならを』

huili2008-06-24

ひとりになりたい少年は、いつも海を目指す。

演劇集団キャラメルボックスハーフタイムシアター、『ハックルベリーにさよならを』と『水平線の歩き方』を通しで見てきました。1時間×2本。年末で閉館するアプルとも、きっとこれでお別れ。ロビーバイトにはいったこともあるので、いろいろと感慨深い。

初演/再演ともにビデオでさえも見ていないわりに、きらの描いたコミックスはずいぶん丁寧に何度も読んでいたので、びっくりするくらい台詞が自分の中にはいってた。そして、あらためてコミカライズの忠実さに感激(まあ、アベチカコが登場しないのを難とするひとも多いみたいだけど)。

しかし、ケンジが声を裏返す(12歳のこどもは、じっさいよくああいう怒り方をする)たびにじわっときてしまうのはなぜだろうなあ。彼のような体験も、彼のような心をかきむしられるような思いも、あじわったことはないはずなのに。たぶん。

あと、ストーリーがしっかり頭に入ってる分、演劇的な演出のアイデアに脱帽。河の表現は知ってただけど、ラストシーンは鳥肌が立った。小説でも漫画でもテレビでも映画でもない、眼前で繰り広げられる、生身の芝居だからこそ映える演出。うつくしい。