003/100 年末に読んだ本

年末分だけど、あらためて書き残しておきましょう。楽しんだ本なので。

東京夜話 (新潮文庫)

東京夜話 (新潮文庫)

東京のいくつかの街を題材にした短編集。短編集、と呼ぶにはちょっととっちらかってるかもしれないな。太平洋を股にかけた純愛物語、ちょっと泣かせる人情話、テキストの8割がでたらめなレポート、くすりと笑っちゃうような小咄、星新一も真っ青のSF、家の暗やみがうすら怖くなるホラー…。だけど、どの物語も「ああ、あの街ならそういうこともあるかもしれない」と思わせる。

いしいさんをちゃんと読み始めたのはわりと最近で、しかも年の瀬に「トリツカレ男」にトリツカレ、年明けに「プラネタリウムのふたご」に滂沱の涙を溢れさせていたばかりなので、こういうテイストの作品もアリなのか、と驚いた。そしたらこれって「いしいしんじ前史」とも言える古い作品だったのね。道理でテイストが違う。こっちはこっちで好きだわー。

東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))

東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))

東京噺をもう一冊。このシリーズは本当にタイトルのつけ方が秀逸。タイトルとしてだけ見ても悪くない印象なのだけど、本文中でその言葉に再会した時のニヤリ度は相当です。

川上さんの(書く)ように、からからと人生を過ごせたらなあ、といつも思う。ここに書かれている事が事実だろうがそうでなかろうが、どうでもいいのだけど。ふふ。