リアルよりリアリティ、より。

huili2007-09-06


気になるものごとパッチワークのヨタ話。突っ込み募集。

うちの研究室の教授はかつて「これからはSTU空間が面白いのだ!」と宣言し、「STU空間ってなんすか?」と問うた学生に「RealとVirtualの間(を繋ぐいろいろな技術)」と答えてゼミの空気を一瞬にして苦くしたことがあります。ま、でもGPSなどの位置情報とか、QRコードとか、ネット社会と現実世界をつなぐ接点はここ数年で驚くほど増えた。どのケータイキャリアもパケット代は定額になったし、「フルブラウザ搭載!」なんていまさらウリにもなりやしない。

Wi-Fiを搭載したiPod touchのリリースにあわせて、米国内のStarbacksでは店内からiTunes store Wi-Fiへのアクセスが可能になるとのこと(itMediaの記事)。いまんとこ「店内で流れてる曲が変える」とかそんくらいなんだけど、スタバという「場」に依存した配信のかたちというのも考えられるわけで。ポール・マッカートニーが「音楽を手に入れるチャンスをもっと増やしたい」と言ってスタバ主宰のレーベルに移籍、というニュースもあったけれど(いまでは国内の店舗にもCDがおかれている)、なんか新しいこと企んでそうだよなー。
昨日まで連載されていたほぼ日の「ソーシャル・ウェブ座談会」でも、ネットのなかにあるモデルと現実の乖離みたいなものが話されていて、これまた興味深い。

糸井:グーグル的広告モデル、という話としてはきっともう、滑川さんのおっしゃるとおりでしょう。だけど、現実の街を歩いているときってまたちょっと、ちがうと思うんです。つまり、近所のレストランの繁盛だとか、芝居小屋のお客の出入りだとか‥‥そんなようすを見ていると、「グーグルの独裁」という話と、実感として、うまくつながってこない。だって、ライブやロックフェスには、お客さんがいっぱいいるじゃないですか。レコードでは得られない満足があるから、たくさんの人が集まるわけです。

そこにはやっぱり「可能性」があると思う。

ワタクシがセカンドライフにまったく興味がないのは、単にネットのなかにこっち側のものを持ち込んだ仮想の社会を作ろうとしてるだけだから。結局はネットって、「外に出て行く」ための道具であると思うのよねー。新しい知識であったり、人との出会いであったり。まあ、いろんな人がいるけれど、ワタクシのスタンスとしてはここ11年まったくかわらない。自作のwebサイトとか、メーリングリストとか、掲示板とか、はてなとか、ミクシとか。使うツールが変わっただけのことで、結局は「誰かに会うため」なんだと思う。

この座談会、最終回は「オンライン化できないおもしろさ」という見出しが付けられているのだけど。オンラインのちからをまったく使わないで何事かを仕掛けるのはとても大変だし、一方で生身のからだが動かないようなことはそんなに面白いとおもわないし。ちっちゃくても、バランスの取れたことをやりたいよなあ、と思ったところで今日は一区切り。オチがない。