ワサップ!

huili2007-01-27


「ドラッグ,ピストル、HIP-HOP……。
 そんなもの俺たちには必要ない!欲しいのはいつだってパンクだけ!」


土曜は早起きして、洗濯してから渋谷へ。おめあてはワサップ!

ラティーノと呼ばれるラテン系アメリカ移民の、少年たちの物語。映画のような、ドキュメンタリーのような、でもやっぱり映画みたいな。リアルと虚構の間を行ったり来たりする作品でした。「楽しい」とか、「感動で号泣」とか、ただ一色だけではなく、いろんな感情だの意図だのが入り交じる複雑なイメージ。今まで見たことのないタイプの映画かも。

彼らが住むのはLAはサウスセントラル。黒人文化が中心の街にあって、スケボーに乗って学校に行き、放課後は公園で本気で遊んで(遊具で酔うくらい!)夜は家に集まってパンクロックを叫ぶ、と。男の子同士の友達ってなんだかうらやましい。最近のコドモはこんな風にわいわい遊んでんのかなー、とか思ったりもしながら。

彼らがごくごく自然に描かれているのに対して、そのほかの登場人物は気持ち悪いほどステレオタイプに描かれてる。パーカーのポケットには中が入ってるB系黒人、ビバリーヒルズにいるのは無駄にセクシーな金髪の女子高生と、アイビーでかっちり決めたぼうやたちと、うわっつらだけを塗り固めたセレブのみなさま。どこに行ってもだれと相対しても、全然変わらない彼らの姿がまぶしいくらい。

パンク映画でも、スケーター映画でもない。「現代のスタンド・バイ・ミー」とはよく言ったもんです。

渋谷イメージフォーラムにて上映中。どぞどぞ。