009/100 最近読んだ本
今年は何冊読めるかなあ。意識的に活字を摂取していきたいところ。
- 家守綺譚 (新潮文庫) / 梨木香歩 … yom yomに掲載されていた何編かですっかり心奪われる。「新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である」というカバーの惹句だけでもう満足。のたりのたりと暮らす三文文士と、家主に恋するサルスベリとか疎水を流されてくる鬼の子だとか。湖の底に沈んだのに、時折掛け軸越しに現れる先輩=高堂だとか。春から季節ひとめぐりぶんの、水彩画のようなあわあわとした物語。掌編ばかりなので、通勤なんかにおすすめ。
- 僕のなかの壊れていない部分 (光文社文庫) / 白石一文 … まったく交差しない友人/知り合いがくちぐちに薦めていたので手に取る。前半はなんだか鬱々とした物語だなあと思いながらページを繰っていたけど、終盤の展開にはすっかり引き込まれてしまった。こういう「世界との距離の取り方」を計るような小説はとても好きかもしれない。違う作品にも手を出そう。
- 素晴らしい世界 2 (2) (サンデーGXコミックス) / 浅野いにお
- 素晴らしい世界 (1) (サンデーGXコミックス) / 浅野いにお … むかし誰かの家で読んだ気もするけど、改めて手元に。連作短編集を読むと胸がチリチリするのはなぜかしら。希望と絶望と、少しの光。それぞれの人がそれぞれの場所で、いろんな起伏を乗り越えて世界は動いてるのだなあ。同い年で、同じような場所で同じようなものを見聞きして暮らしていたであろう人なので、さらに気になる作家。
- もやしもん(4) (イブニングKC) / 石川雅之 … なんか正しく大学漫画みたいになってきた!これはこれで面白い。菌のいうことがだいぶ理屈っぽくなってきたぞ。いいけど。
- PLUTO 4 (ビッグコミックス) / 浦沢直樹 … え、アトム?4巻も出てるのに、まだ全然世界の全容がつかめない。
- 大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302)) / よしながふみ … 泣いた。どのタイミングで単行本になるのか、という所まで完全に計算されて作られているなあ。よしながってボーイズラブ作家でしょ?て思ってる人にはもちろん、俺あんまり漫画はなあ…という人までにも強くお薦めしたい。ホントに。
- LA QUINTA CAMERA―5番目の部屋 (IKKI COMIX) / オノ・ナツメ … 刊行日だけ見て買ったら、こっちは初期作品だったのね。イラストっぽさが強過ぎて、まんがっていうよりはカットを並べて綴ってるようだ。ま、これはこれで。