001/100 イリュージョン / リチャード・バック

イリュージョン 悩める救世主の不思議な体験 イリュージョン (集英社文庫)

グラデーション366 のためにちょっと調べものをしていたら、昨年の秋にひっそりと新訳が出ていた事を知る。せどりをやっていた頃に、ちょくちょく版元切れになって瞬間的に高値になるのを見かけてはいたけど、まさかムラカミ訳が絶版になるとは。

日英の翻訳比較なんて学生時代に一度やったくらいだから、あまり偉そうな事は言えないけど、確かに村上龍の訳は非常にフランクかつ創作的だった。原著をペーパーバックで読んだときにその印象の違いに驚いたもので。だけどわたくしの人生の一冊は、あくまで村上訳のちょっとだらしない日々のほう。新訳に手を出すか非常に迷う。ああ、春樹ライ麦が出たときのサリンジャーファンってこんな気持ちだったのね。

それよりもまず気にいらないのは、新訳がハードカバーで刊行されていること!この本にはポケットだのかばんにつっこんで、どこでも開いて読めるくらいの軽さが必要なのに。いままで何人もの手に預けた本なので、古本屋で見つけるたび買っておこうと思う。目撃談モトム。