最近読んだ本


星の王子さま (集英社文庫) 大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301)) 大人のための文章教室 (講談社現代新書)

  • 星の王子さま (集英社文庫) 本屋で平積みになっているのでなんでだろうと思ったら、著作権が切れて新訳が花盛りなのね。せっかくだからどれか選んでもう一度読もうと思って、手に取ったのは池澤夏樹訳。新訳が出るたびに「古いファン」からてんこ盛りの苦情が出るのは常なることなのでどうでもいいんだけど、個人的にはすらりとした池澤訳は好きだなあ。彼自身の文章が好きだ、ということもあるけど。こどもに読ませるのなら、という観点だとまた違うかも知れないけど、シンプルな言葉から多くのことを想像できるオトナなのなら、これくらいスッとしているほうがいいと思う。しかし、飛行機乗りの作家の書く物語ってどうしてこういう手触りを持つのだろう。イリュージョン (集英社文庫)然り、ね。飛行技術がまだまだ発展途上だった時代ににあって、空の上っていうのはなにか特別な場所だったのかも知れない。
  • 大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301)) お、おもしろい!ほんっとに!よしながってボーイズラブ作家ってんでくくられがちだけど、ストーリーテラーとしてもかなり、だよなあ。ソルフェージュみたいな一本調子のモノもほろりとくるんだけど、いくつかの要素が謎解きのように絡み合う作品だといっそうその手腕がさえ渡る。西洋骨董菓子店然り。導入部をちゃんと書くことで「意味もないのに美男ばかり」てな不条理さもちょいと薄れているし。吉宗が疑問を抱いたところで一巻が終わりなので、今後の展開がすごく楽しみ。よしながの描く女の人はとても凛々しい。
  • 大人のための文章教室 (講談社現代新書) 清水くん、好き。全然畑違いのところに首を突っこんでいってわやわや言うのはあんまり面白くないんだけど、国語学だとか教育とかその辺の事を語るときはパッキリしてて気持ちがいい。すごく役に立つ、て感じはしないけど楽しく読めた。