CARAROCK FESTIVAL -pop stage-

灼熱の思いひとつを、連れて旅に出る。

石田ショーキチつながりの加藤さんとワタクシは、どうしようもないくらい音の好みが似ているので、加藤さんが「うりゃっ!!」て繰り出すオンガクには大抵やられることになる。そんな人が企画するライヴがワタクシの趣味に合わないなんてことがあるだろうか(反語)。いつもは役者さんが息づいているサンシャインのステージに、今日はアンプとエフェクタとシールドがはい回る。馴染みの場所と馴染みの人、だのにちょっとした違和感がある。なんとも不思議な空間でした。

(あきれるほど長いので裏に回します)
ひとつめはライプニッツ。かなり昔にいちどライヴを見た以来だったけど、機億以上によいバンドで驚いた。うん、こういう声と鍵盤のセンスは大好きだ。あったかい。ボーカル氏が鍵盤なので、Clingonとかキンモクセイあたりに反応する人はぜひどうぞ。ワンマン、行ってみようかなあ。

ふたつめはルーシー。いつの間にかこんなに曲提供してたのね(スキップを見逃した愚か者はわたしです)。G.A.P.C.ツアー以来なので三年ぶりくらいか。あいかわらずアイコちゃんはあいくるしい。なんかちょっとホールとサウンドの相性が悪いような気がしてもったいなかった。それにしても"Photograph"のよろしきことよ。ほー。

今回は開演前と転換中にシモテ袖に特設の「加藤の部屋」から加藤MCが入っていたのだけど、前説からもうそわそわしっぱなしで、転換時の場つなぎにあわあわしているのが好ましかった。「いやー、今回の企画はなんて豪華なんだろう」とずっと思っていたんだけど、こりゃあ加藤まつり以外のなにものでもない、とふと気づく。ぜったい一番楽しんでるの加藤さんだもん!

で、トリはもちろん石田ショーキチ with CaramelBacks。セットリストだけ先に抜き書きしておきますと…。

さよならノーチラス号 / DAY AFTER TOMORROW / レインボー
MISS / 水虎の涙 / Rule Me
ミラージュ / 太陽道路 / 君のいた夏へ

スクーデリアは96年からずっと見てきたけど「スクーデリアではないバンドで演る石田ショーキチ」を見るのは初めて。だから、正直どんなもんになるんだろうと不安と期待がないまぜになっていた。バックメンバのすごさはじゅうじゅう知れているのだけど、それだけじゃない「なにか」がひっかかってさ。

なんてうだうだ言っていたのも、彼らが一発音を出すだけであっという間に消えてしまった。音源になっているものより、今までのどのライヴよりも血中ロック濃度が高い。濃いなー。どの曲も今までとはまったく違う表情を見せていて、演者の解釈によってこんなにも楽曲の雰囲気が変わるものか、と驚く。アレンジ自体がガラリと変わっているものもあって、レインボーのイントロはギター二本が絡み合うものになっててちょっと新鮮。

ごっしーと一緒の 水虎の涙 とか I can wait no more が聴けるかしら、とちょっと期待していたんだけど残念ながら。でもアコースティックのイシダ水虎にご満悦。こういう色艶をもつ声はほかにそうそうないよなあ。ああ、なんかほめすぎな気がしてきた(けどしょうがない)。

ちょっとだけツナギの加藤MCが入って後半戦は芝居の核となった曲が三連発。椅子を蹴倒しそうになりつつ踊りましたよ!スクーデリアがらみの芝居は欠かさずお邪魔しているので、曲キッカケの動きも含めて舞台の記憶がフラッシュバックする。ステージには大型スクリーンがあって、各バンド一曲ずつダイジェスト映像が流れていたんだけど、この辺じゃあそれがなくても見える見える。太陽道路でびっしょり汗だくになる(ええと、ここはサンシャインですよ?)。

ラストは 君のいた夏へ 。石田氏初のキャラメル書き下ろし楽曲。当初発売予定がなかったものを、人を募ってリリースにこぎ着けた事を懐かしく思い出しながら。とてもコンパクトだけど、すみからすみまでイシダ節。生で聴ける日がするとは思わなかったのでちょっと鳥肌が立った。

「アンコールはなしよ」とあらかじめ宣言されていたので、すっぱりここで終わり。うん、もう満足です。今日と全く同じメンバで演ることはもうないのかもしれないけど。本当に楽しい時間でした。やっぱりワタクシは石田氏のオンガクを必要としているなあ、としみじみ。どんな形であれ、あの楽曲達を氏が弾きうたう姿がなにより好きみたいです。

素晴らしい企画に感謝。演劇集団CARAMELBOXの20周年にこころからの祝福を。そして
そのうちの5年ばかりをご一緒できたことを とても誇りに思っています。