ナンシー関 大ハンコ展

huili2008-06-19


風のない世界では、ほら、答えがないみたいだ。


開催は知っていつつも「タイミング合わないなあ」とスルーしそうになっていたのだけど、前日のやまださんのエントリを見て(彼はいつもいいタイミングでパスをくれる)、多少なりとも彼女と同じ時代を見たものとしては逃せないと思って、ちょうど他の打ち合わせも入った先週の、木曜夜に行ってきていたのでした。

彼女が存命だった時代(~2002)は、辛辣な言葉も優れた批評眼の現れであって、消費される一発芸ではなかったはず。そういえば、ひところあんなにいた毒舌芸人っていまどこ行っちゃったの?インターネットはあれど絢爛なるブログ文化はまだ先の事だし、ひとつのゴシップや流行がもっと丁寧に扱われていた時代。

そう、コトの全容を見極めて、丁寧に消しゴムを掘り、紙媒体で発表するというスピードで間に合っていた時代だったんだよなあ。過剰なまでに情報の供給されるこの時代、便利で豊かになったといわれるし、それなりの実感もあるけれど、なにかを落とした気もしないでもないなぁ。どうかしら。

さほど広くない展示スペースを埋め尽くす5,000個の消しゴムハンコと、さらにスキマを埋め尽くす人ごみのなかでいろんなことを考えました。水道橋博士が「ナンシーさんが生きていたら、バラエティがこんなにクイズ番組だらけになる事もなかったでしょう」といっていたのがやたら印象的。

渋谷での展示は終わってしまったけど、これから全国を巡回するよう。お近くの際は是非どうぞ。http://www.bonken.co.jp/