AIR at 下北沢シェルター

huili2008-05-27


明日色のほら、ラストナンバー。

2004年の横アリぶりのAIRがシェルターだなんて。やる気十分で開演を迎えたら、なんと最前列で柵にもたれるという事態に。あんなに小さな会場で演ることはこの先もあまりないだろうし、ステージの気迫もお客さんのテンションもとてもいいライヴだったのだと思う。でも、ライヴが進むたびにどんどん冷えていく自分がいたのです。

いままでの人生で二番目に多くその歌声を聴いていて(いちばんはもちろん石田)、その声に、曲に、泣いたり笑ったりさせられた人が、目の前にいて歌ってるのに。自分の知っている大好きだった姿とあまりにかけ離れていて、どう思ったらいいかすらわからない。漠然としたさみしさを抱いての終演でした。
近作を中心に組まれたセットリストだったので、知ってる曲はLast DanceとToday(24 years oldは知らない歌詞だった…)だけだったけど、それはどうでも良くて。初めて聴いた曲のなかで、自分に引っかかるものが何ひとつなかったのがあまりにもショック。えらく丸くなってフォーキーで、歌詞も現実味溢れるポジティヴさと切なさを持っていて、ホントこれじゃさだまさしみたいじゃないか(や、さだが悪いわけじゃない)。そして「今が、20年近くの音楽生活でいちばん充実してます!」と笑う姿もちょっと切なかった。

「ぼく、下北沢でライヴするの初めてなんですよ。まあ、ロッカーじゃなくてなんちゃってフォークみたいなのやってるし」ってMCがなんともはや。7弦弾いてた頃を、ジャズマスター折ってた頃のことを思い出せ!…なあんて毒づいたってしかたないんですけど。ラウドな時代の楽曲もやっていたし、今の彼が好きだって人もたくさんいるのだろうしさ。ミュージシャンが表現のあり方を変えながらキャリアを重ねて行くなんてのはよくあることだけど、ここまで道が違ってしまうと、もう交わることはないのかもしれない、と思ってしまう。

呑気な話もちょっと。等さんの真っ正面だったのだけど、彼のベースは本当にすごかった!指弾きと言いつつもなんか手のひら全部で弾いてるみたいで。ウッドベースもエレキも堪能いたしました。ほわーん。あと、車谷のギターも面白かった。エレアコサウンドホールにもうひとつコイルピックアップつけて、それぞれにシールド差してるの。ふたつの音いっぺんに出したり、同じ曲の中で使い分けたりしてた。3ピースならではのアイデアだなー。この辺はとても面白かった。