演劇集団キャラメルボックス「きみのいた時間 ぼくのいく時間」


開演前にふと「前回のクロノスシリーズは誰と見に来たんだっけ?」と自問自答して苦笑い。タイムトラベル・ファンタジーはいろんなことを思い出させる。

てなわけで、3年ぶりの上川隆也出演、1年ぶりのクロノスシリーズ、初めての休憩あり2幕構成。まだ旅公演も含めると半分以上日程が残っているので、詳しい事は書かないでおきますが、やっぱり生身の役者だからこそ出来る芝居/演出というのがあるのだ、ということを再確認しました。

こないだの「トリツカレ男」でも、ジュゼッペがタタン先生になりきる、という場面でその演技力に度肝を抜かれたのですが、今回も1シーンごとに10才くらいずつ歳を取っていくタカヤの姿に圧倒されました。照明やメイクや、特殊効果なんかじゃ作り出せない、役者の体そのもののすごさ。 老いた彼のあれほど弱々しくかすれた声が、劇場の隅までゆき届く不思議。参りました。

で、やっぱりクロノスワールドにおける時間理論のパラドックスが気にかかる。今回は「歴史改変によるバタフライ効果」が物語中でひとつのキーポイントになっていたので余計に。過去は未来に規定されるのか?端的に言えば、エンディング後の秋川は跳ばなくてもよいのだろうか、と。(過去に引っかかってた事はこちらから)。原作、読もう。

きみがいた時間 ぼくのいく時間」の東京公演はあと1週間、その後に神戸名古屋と旅にでます。平日の大阪はまだ結構余裕があるみたい。ぜひぜひどうぞ。