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ハイ・フィデリティ (新潮文庫)

ハイ・フィデリティ (新潮文庫)

ポップ・ソングを聴くから不幸なのか?不幸だからポップソングを聴くのか?

サントラの事を思い出して久々に再読。うーん、やっぱり好きです。こういう生活に憧れる、といってしまうと語弊があるけれどさ(ダメ男ばんざい!)。レコードを買った順に並べる(ということはすなわち自分の歴史をたどりなおす事にほかならない)とか、誰かのためにテープを作ることだとか、膨大すぎる訳注だとか。友達の話ではないはずなのに、あまりにも近しい。

ハイ・フィデリティ、多くの映画化作品がそうであるように映画より原作の方が好きなのですが、映画だけにあるエピソードのうち一番好きなシーンがこれ。「今からベータ・バンドを五枚売るぜ」と宣言して、そのEPを店内に流す。お客さんがみんなそわそわし出して、そのうち一人は「これ、誰?」と声をかけてきて、ニヤニヤしながらバンド名を答える。

むちゃくちゃなこの店が、唯一まっとうなレコードショップに見える瞬間。そう、こういうことがしたい。だから物売りなんて大変な仕事なのわかってるくせに、「自分のお店を持つ」って夢が頭から離れないのよねー。