傘がない

学校からの帰り道、たった15分でふたりの見知らぬ人の傘に入れていただくという珍しい体験をしました。出るときにもう降っていたのだけど、雪まじりだからいいか、と傘を置いてきたのでした。

まず、国道を渡る横断歩道で信号を待っていたら「どうぞ」と渋い声。大矢元ベイスタ監督に似て蝶なおじさまが差し出す傘に入れていただく。道すがら「あなたと同じくらいの年頃の娘が口をきいてくれない」とあまりにお決まりの台詞をおっしゃるのでドッキリかと思った。

商店街を抜けるところまでご一緒して、おじさまと別れる。その様子を見ていたおばあちゃまが「今度はこちらにおはいりなさいな」と声をかけてくださる。ありがたくご一緒させていただいて、家の一本前の辻までてくてくと。「お寒いのであったかくしてね」と言って別れる。

見知らぬ人と会話をするときに、住んでる街の話と天気の話って、ほんとオールマイティなのね。そういえば去年の同じ時期にも、 傘をささずに歩いていたら見知らぬ人に声をかけられたのでした。2月のこの街にはなにかあるのかしら。