京都ぶらぶら


適当なお昼ごはん食べてから京都におでかけ。一澤帆布にお買い物に行きたいのだ、と言われて、そういや前に行ったのはお家騒動前だったなーとか懐かしいことを思い出す(京都の街は、まだちょっと思い出ばかりが先に立つな)。Air子さんにぴったりのショルダーバッグが見つかって一安心。今まで使ってたひとまわり小さいのをもらうことにしてほくほく。


知恩院からねねの道を抜けて茶寮都路里へ。すれ違うのは15才未満か還暦以降か非日本語話者。平日の日中しかも小雨混じりという時に、元気に活動するのはそういうひとたちばかりか。そして15年来の思いを叶えてつじりパフェをいただく。それこそ修学旅行の自由行動を計画している時に知って、いつ行っても混んでるのであきらめていたのであった。京都のお抹茶モノはなんでこんなに本気なんだ。マールブランシェ然り。


ちょっと時間が空くので歩くかね、とぶらぶら五条まで。街並み眺めてあれこれ言うだけでいくらでもヒマが潰せるというのは、安上がりかつ幸せな趣味を持ったものですな。いい共食い看板!


夕方からは、町家に居を構えるひとのおうちに遊びにゆく。ご夫妻がそれぞれに知り合いを呼んでの催しなので、ほぼ初対面ばかりで入れ替わり立ち替わり。30分に一回くらい自己紹介をしながら呑んだり食べたり。主催者(6ヶ月)もソゥキュート。妙なところで繋がっていたり、Twitter経由で話のタネにされてたり、すてきな人にたくさん出会った夜でした。

しかし「町家暮らし」って、「不便を不便とも思わず」「古き良き建物を大切にし」「古都の趣を重んじて」みたいな、趣味先行みたいなイメージが強かったのだけど、ここのお宅はふつうによいおうちだった。広いし。(もちろん様々なご不便もあるのだろうけど)ノスタルジーの範疇においておくのはなんだか違うなと認識。うまく言えないけど。

こんやくしました!

この度わたくしアオキエリは、吉永健一さんと婚約したことをご報告いたします。

ドボクがらみに興味を持ち始めた頃、音楽関係の友人に「アオキはドボク畑に嫁に行ってしまった…」と言われたものですが、ほんとうに嫁いでしまうことになりました。(よしながさんは団地マニアでありダンメン好きではありますが、吉永建築デザインスタジオ という設計事務所をやっている建築家のひとです)

わたくしの仕事の都合上しばらくは離れて暮らすことになりますが、ゆくゆくは大阪に転居する予定でおります。自分が長らく親しんだ「アオキエリ」でなくなるのに、正直まだちょっと実感がありませんけど。

たとえ慣用表現だとて「若輩者」「未熟なふたり」と称するにはすこし勇気がいるふたりですが、これからも変わらぬご愛顧をどうぞよろしくお願いします。育った畑は違いますが、ものごと仕掛けるのが大好きなふたりですので、倍以上のパワーで面白いことやるよ!乞うご期待!

ちなみに11月に京都に式を挙げる予定です。その後大阪と東京の二ヶ所でささやかなパーティをひらく予定ですので、改めて個別にお誘いをさせてくださいませ。

My Oldest Numbers vol.1 / 石田ショーキチ

人生でひとめぼれしたのは今のところ一度だけで、それは1994年のある夏の夜。深夜の音楽番組から流れてきたギターの音に目を向けると、仏頂面したメガネノッポがいて、その楽曲と共にすとーんと恋におちたのだった。"Please Please Mr.Sky"SPIRAL LIFE、そして石田ショーキチ氏との出会い。

そこから4,5年のあいだ、本当にずっと彼に夢中だった。すり切れそうなほどCDを聴き、毎月音楽雑誌を読みあさり、彼らが言及する音楽や作家やその他諸々をかたっぱしから集めたり、セルフレームのメガネをかけたり、ひとつめのピアスは左耳だったり。なんて健気だったのか…。ただ、行き着く目標としては「なんとかして彼らと一緒に仕事をする」だった。個人的に知りあいたいとか、ましてや付き合いたい、とかじゃなくて。(思えばこの「恋心→対等なタッグを目指す」っての、まったく変わってないのな自分…)

石田ショーキチ最新作「My Oldest Numbers vol.1」のアートワークを、まるごと任せていただきました。これまでも、彼の主宰するレーベルScudelia Audio Terminalからのリリース作をいくつかお手伝いしてきましたが、石田名義の作品はやっぱり感慨深い。しかも、彼の20年近いキャリアをさかのぼって再構成する新録盤だなんて。どの曲もかつてのわたしが震えるような想いでリリースを待っていたもの。それが、自分の手で作られたジャケットに包まれて世に放たれるなんて、13才の自分に聞かせたらどんな顔するだろう。なに冗談言ってんの、と一蹴されて終わるかな。

と、いうわけで中身の良さは語るまでもありませんが、外見もがんばりました。ジャケットは北九州の大谷ジャンクション、ブックレット内のライヴ写真などもすべてわたくしが撮影したもの。18年越しのひとめぼれ、いうなればMy Olderst Loverに落とし前をつけるような作品になったと思います。(いや、いまでも十分恋してますけど!)

ひとまずは先週から始まったツアー会場での販売になる模様。くわしくはScudelia.net最新情報でご確認くださいませ。わたしもはやく現物を手にして、でっかい音で生まれ変わった曲たち聴きたい…。

入試の心得

予定の時間になると、まず学部長が挨拶にたった。僕はこんなことにまで儀礼的な挨拶が必要なのだろうかと訝った。しかし挨拶は、次の様なものであった。
「皆さん、朝早くからたいへんご苦労様です。今日は、私達と一緒に、これから4年間あるいはそれ以上一緒に勉強する仲間を選ぶ大切な日です。ひとりでも優秀な学生が来るように皆さんも緊張感を持って臨んでください」
僕は、自分が少し恥ずかしくなった。入試とは、自分たちのいる大学への入学を許可するためだけのものではなく、これから一緒にやっていく人間を選び出すことなのだ。

佐藤雅彦 / 毎日新聞 2000/3 号「入試の心得」より

(新年のあいさつさえしそびれておりますが)今年もこのテキストを思い出して、胸に刻んで二月を迎えます。中学受験市場三割減とも言われている不況のおり、それでもうちで学ぶことを希望して集まる12才をお迎えする3日間。ずっと本部付きで、こどもたちの顔ではなく数字を見て過ごすからこそ、こういう思いを忘れずにいたい。

第4回ニッポン建設映像祭 at 森美術館「メタボリズムの世界都市展」

というわけで本日のメインイベント。展示を1時間で見ようなんて到底無理よ、と言われていたので(確かに…)全体のようすをざーっと見てまわる。昨日実物を見た、千葉県中央図書館の図面や模型を見て「ほんとにこんなに作っちゃったのだな」としみじみした(というかメタボリズムの建築ってほとんど「うわあ、良く作ったなあ」て感じよね。誤解を恐れずに言いますけど)。

今回のニッポン建築映像祭は、展示の関連イベントとして開催されるという事もあって、まさに「さっき見た図面が実際にできあがるまで」の映像なので、ほんとうに面白かった。4本それぞれの映像がどういった視点から撮影&編集されているかという違いもくっきり見えたし。企業の論理とか、技術や合理性をどう強調するかとか。

本編終了後に、おまけに放映された鳶の親方の「ある一生」が、それを全部ひっくり返すようなないようでまた良かった。「東京であんたらスジ引いとったらええけどな、なんぼトビ言うたかて羽は生えとらせん」て。最高。(UCFAでは、どこかの倉庫に眠っている記録映像を探しているとのこと。詳しくはこちら→ニッポン建設映像祭

麻布十番の名店にて、しめさば&まぐろブツに舌鼓をうちまくる。日曜日の続きみたいな、いい夜。

横浜→銀座ぶらぶら

今日からちびたちは中間考査なので、午前中でおしごと終わり。トリエンナーレの連携プログラム、新・港村をちょっとだけ見に行く。たくさんのアーティストが生活をするように活動をしている場所なのだけど、平日の昼いちばんだったせいか、お店とかあんまり空いてなくてちょっと残念。またゆっくりこよう。

駅までの道すがら、うっかりカップヌードルミュージアムへ。自分で作る系の予約はすでに夕方までぎっしりだったのだけど、建物のよゆうしゃくしゃくな雰囲気と佐藤可志和の手になるミュージアムグッズの出来に完敗。ハンドタオル買っちゃった(だって今治だしさ…)。

銀座まで行って、奥野ビルへ。1932年竣工の、今はそのほとんどが画廊やギャラリーになっている古いビル。その306号室が、竣工当時からずっと1オーナーで(!)彼女が亡くなったあとも、当時の内装のまま残されているとのこと。なんだか頭がくらくらするような、長い時間の積み重なった空間でした。でも居心地良かった。今年いっぱいはさまざまな形で公開をしているそう。→ 銀座奥野ビル306号室プロジェクト

BLD GALLERYで柴田俊雄の展示もちらりと。こうやって撮られていると、ダムもまた違う雰囲気がする。水ってとてもきれいだ。夜の闇に浮かぶものばかり集めた写真集を一冊買う。

『視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション』展 at DIC川村記念美術館

興味あるけど葉山遠いなあと思ってうかうかしてたら、もっと遠いところまで行くことになった…。うっかり近場で行きそびれたひとたちが、10人ばかり集まって佐倉まで。京成上野8:45集合ってそれだけでもう泣きそう(ふらふら)。

電車とバスを乗り継いで2時間弱、山の中とてもすてきなところでした。オープン前に無理やり入れてもらったレストランはとても美味しかったし、最高の天気のもと芝生で駆け回るのも、悠々としている白鳥を眺めるのもとても楽しかった。まだ展示見てないうちにはしゃいで息切らす大人げないありさま。

この美術館についてほとんど知らないままに行ったのだけど、常設展もすばらしかった。コレクションの立派さもさることながら、作品のためにつくられた部屋がいくつかあって、そこがもう。右側と左側でまったく景色の違うあの部屋に住みたい。

モホイ=ナジ展も、思った以上にボリュームのある展示ですっかり満喫。この辺の人や活動って全然系統立てて学んでこなかったので、自分の中では想像もつかない人や出来事とリンクしたりしていて面白い(たんに不勉強なだけですが)。帰りがけにかまきりこさんを見つけてはしゃぐ。かわいい。

千葉まで戻って千葉県中央図書館へ(これは、あしたの予習)。見方を知っている人と見ると、なんとなく目にしていたものが、まったく違うものに生まれ変わるような感覚があって楽しい。かたちだけじゃなく構造とか。構造のための工法とか。面白い。

東京駅まで戻って、なぜか数人増えつつたっぷりおしゃべりして呑む。愉快で居心地のよいひとびとであることよ。